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発達障害のあるお子さんをもつ保護者さんは、運動会やお遊戯会で、
- 練習には参加できているのか
- 当日は参加できるのか
- 子どもがどんなことになるのか
悩んでしまうこと、ありますよね。
私が保育士として勤めていた園では、発達障害がある子も、他の子どもたちと変わりなく運動会やお遊戯会に参加していました。
やはりその時の保護者さんからは、お悩みを聞いていました。
発達障害のあるお子さんでも、運動会やお遊戯会で楽しんでいる姿を見せてくれると、親の気持ちとしてはうれしいですよね。
今回は、お遊戯をしないことでお悩みの保護者さんに向けて、解説していきます。
発達障害はお遊戯しない?
発達障害だからお遊戯しないとは限りません。
発達障害にも様々な特徴・特性があります。
お遊戯が好きな子・苦手な子がいますので、それはひとりひとり違ってきます。
まずは、お遊戯をしないと最初から決めつけないで、お子さんの様子を観察し、どんなことが苦手かを明らかにしましょう。
発達障害のあるお子さんは、大人や他の子どもよりも、様々な環境への許容範囲がせまいと言われています。
しかし、発達障害をもたない子どもの中にだってお遊戯が苦手な子もいます。
それは個性です。
大人にだって、得意不得意がありますよね。
お子さんの様子を見て、お遊戯が好きなのか、好きではないのか、まずは見極めてみましょう。
また、お遊戯をしない原因としては、いくつか予想されることがあります。
感覚過敏の傾向がある
音や光に敏感な場合があります。刺激を減らすサポートをすることで、もしかしたら様子がかわってくるかもしれません。
不安を感じている
お子さんにとって、初めてのことやいつもと違うことには、どの子にとっても不安を感じるものです。
そこで、事前にお子さんには、どんなことを誰とするのか、丁寧に説明をし、見通しを立てることがポイントです。
実際に当日やることを体験しておく
これは、見通しを立てることにつながります。
当日、どんなことをやるのか、先生や保護者さん、お子さんが安心できる人と一緒に確認しておくことで、良い方向に様子が期待できるかもしれません。
そもそもお遊戯がむずかしすぎる
発達障害のあるお子さんは、自分のクラスの年齢よりも、もしかしたら幼い傾向があるのかもしれません。
むずかしい内容だと、楽しくないですもんね。
それは、どの子どもにも考えられることですから、お遊戯のレベルが高すぎるのかもしれません。
お父さんお母さんがそばにいるのに、近くに行けないことが嫌だ
同じ会場に自分の大好きな家族がいるのに、なんで自分だけ違う場所にいなくちゃいけないんだと納得できていないのかもしれません。
その場合は、先生の許可をとったうえで、無理のない範囲で家族が一緒に参加してみるのも良いでしょう。
もしかしたら、先生側から「一緒にどうですか?」と声をかけられるかもしれません。
以上のことが原因として考えられますが、お遊戯をしないからと言って、だめだということはありませんよ。
発達障害で運動会で踊らない
そもそも、幼児で、曲に合わせてみんなで踊るということは、なかなかハードルの高いことだと思いませんか?
運動会って、あんなに大勢の大人たちに囲まれて、ただでさえいつもと雰囲気が違うのに、そこで踊るって、なかなかのことだと私は思います。
大勢の人に見られて緊張もしますし、これって大人だって、子どもだって、同じ気持ちだと思いませんか?
くわえて、発達障害のあるお子さんでしたら、いつもと違う雰囲気に、踊れなくなってしまう気持ちもわかります。
運動会の場所に来ることができて、その空間に参加できているだけで、素晴らしいことですよ。
私は保育士として何人もの発達障害のお子さんと関わってきました。
保護者さんの気持ちとしては、
- 他の子と同じように参加させたい
- 他の子に迷惑をかけてしまうから当日は休ませたい
- 自分の子どもだけが違うのが恥ずかしい
と様々な悩みをかかえていました。
私の勤めていた園では、みんなが参加できるように、様々なサポートをして、子どもひとりひとりが分け隔てなく無理なく参加できるような体制をとっていました。
発達障害をもたないお子さんでも、当日は泣き叫んで参加できないなんてこともあります。
保護者さんと離れることができなくて、保護者さんと一緒に競技に参加することだってありました。
踊らないことにも、理由があります。
強制はせずに、お子さんのペースに合わせて参加できたら良いのかなと思いますし、参加できなくたって、それはそれで良いと思うんです。
お遊戯会で立っているだけ
お子さんがお遊戯・音楽が好きであれば、ダンスが覚えられなくても、その場にいることで、好きなようにからだを動かしたり手拍子をして、楽しむことができるかもしれません。
ただし、運動会と同様にお遊戯会もいつもと雰囲気が違いますよね。
お遊戯会の当日のことを考えてみると、薄暗い中で、幕があいて、幕があいたら大人たちが全員自分のほうを向いていて、急に拍手をされる。
…なかなかすごいですね。
私でも踊ることはむずかしいかもしれません。
立っているだけだったとしても、その場にいることができたのですから、それだけで素晴らしいことです。
あんなにたくさんの大人たちの目に見つめられると、他のお子さんでもかたまってしまう子はいます。
その場にいることができたことが素晴らしいのですから、褒めてあげましょう。
以前勤めていた保育園で、お子さんが運動会や発表会の練習が苦手で参加できていないことを知った保護者さんが「当日は休ませたほうがいいってことですよね」と勘違いしてしまい、本当に当日子どもを休ませてしまいました。
また、「うちの子だけちがって嫌だ」と泣いて途中で帰ってしまう保護者さんもいました。
しかし、それではお子さんの気持ちはどうなのでしょう。
自分ってだめなんだ、と落ち込んでしまうかもしれません。
どんな時でも、親は子どもの一番の味方でいてあげてほしいです。
どんな姿でも、お子さんのことを認めて受け止めてあげましょう。
発達障害でダンスが覚えられない
お遊戯をこまかく解説しますと、すごくハードルが高いのです。
耳で曲を聴き、手と足を曲に合わせて動かし、他の幼児と動きを合わせながら、先生のマネをして決められたように体を動かす。
…文字におこすと、かなりすごいですね。
例えば3分くらいの曲だとして、3分間の動きを覚えて踊るってむずかしいことですよね。
ダンスが覚えられなくたって、曲が流れているその場にいることが楽しめているのであれば、それはそれで良いことです。
もしかしたらまったくダンスに興味がないのかもしれません。
お子さんの苦手意識を最小限にするには、どのような対策が考えられるのか、担任の先生と連携を図りながら、すすめていくと良いでしょう。
まとめ
今回は、発達障害をもつお子さんが踊らないことについて解説してきました。
踊らない・立っているだけには、発達障害のあるお子さんでも必ず原因・理由があります。
お子さんの苦手を発見し、どんなことでサポートしていけるのか、当日はどうしたら良いのかなど、担任の先生と連携をとりながらも、お子さんがのびのびとできる環境をつくっていけると良いですね。