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激務なうえ、給料も安い保育士。
残業や持ち帰りの仕事も多く、プライベートの時間や睡眠時間を削って頑張っている保育士もたくさんいます。
さらに、女性の職場特有の悩みがあったり、近年ではモンスターペアレントの存在も問題視されています。
大半の保育士は一度や二度は「保育士を辞めたい」と考えたことがあるのではないでしょうか?
しかし、一時の感情に流されてすぐに辞めてしまうのは危険です。
実際に保育士を辞めた方の中には「保育士を辞めて良かった」という方もいれば、「保育士を辞めて後悔した」という方もいます。
その差はなぜ生じてしまうのでしょうか。
ここでは、保育士を辞めて後悔しない方法を解説するとともに、辞めて良かったという意見も具体的にご紹介します。
今「保育士を辞めたい」と思っている方や、「辞めて後悔したくない」という方に読んでいただければと思います。
保育士辞めて良かった
保育士を辞めて良かったという実例を、ご紹介します。
保育士は責任感や自己犠牲心が強く、優しい方が多い職業です。
つい我慢しすぎたり、無理をして頑張りすぎてしまうことも。
しかし、心身の調子を崩してしまう前に、思い切って「辞める」という決断が必要な時もあります。
サービス残業が無くなった
保育士の仕事は、日々の保育だけでも膨大な仕事量です。
その他、園行事の準備や事務作業、清掃まで幅広い業務をこなさなくてはいけません。
いわゆる「なんでも屋さん」に近い状態です。
規定の勤務時間内では到底終わらないので、残業したり持ち帰って仕事をするのも、当たり前の現状です。
しかし、家に持ち帰って仕事をするということは完全なサービス残業です。
サービス残業をするのが「当たり前」というスタンスの職場は、いまだにたくさんあります。
しかし一方で、
- 多すぎる仕事をさせない
- 持ち帰りの仕事をしない、させない
という方針の保育園もあります。
連絡帳の記入などにタブレットを導入し、事務作業のスリム化を図っている保育園もあるようです。
そのような保育園を探し転職できれば、サービス残業の日々から解放されるでしょう。
しかし、そういった先進的な保育園は保育士からの人気が高く、いつも求人があるとは限りません。
一度ゆっくり休んで、自分の働きたい園をじっくり探すのもよいでしょう。
プライベートの時間が持てるようになると、生活にゆとりが生まれ、自分を見つめ直すことができます。
心のゆとり
保育士の仕事は残業だけでなく、「早番」「遅番」「土曜勤務」もあります。
とにかく時間に追われて、
- 自分の時間なんて持てない
- 趣味を楽しむ余裕がない
という保育士も多いでしょう。
休日ですら仕事のことばかり考えてしまったり、仕事のことがあれこれ気になってしまったり、なんてことも。
そうなると頭の中が仕事のことでいっぱいになってしまいます。
それでは心は休まりませんね。
心が休まらない状態が続くと、気持ちが追い詰められ、健康上非常によくありません。
「増える保育士の"うつ"」という記事も目にするほどです。
そこまで余裕がなくなってしまった場合、一旦仕事から離れることも必要でしょう。
時間的にゆとりが生まれることで、休息をしたり、リラックスしたり、趣味を楽しむことができます。
保育園と自宅だけを往復する生活では、気持ちも沈みやすくなります。
時間ができて色んな場所へ出掛けることで、自分の視野を広げることができるでしょう。
腰痛が改善
これは私自身も経験しています。
腰痛は保育士の職業病と言えます。
小さな子どもを一日に何度も抱き上げたり下ろしたり、オムツを変える時は前かがみになったり。
さらに机や椅子、玩具の箱などを運んだり、布団の上げ下ろしをしたり、常に腰に負担がかかってしまうのです。
しかし、保育士である以上、これらの仕事をやらないわけにはいきません。
実は保育士の約半数が腰痛を患っているとも言われています。
私自身も腰痛ベルトと湿布は手放せなせず、痛みがひどい時は鎮痛剤を飲みながら仕事をしていました。
腰は全身の「真ん中」にあるため、痛みがひどくなると集中力が低下したり、睡眠すら上手く取れなくなります。
ひどい腰痛を我慢しすぎて「うつ症状」が出ることもあるのです。
そこまでひどい状態であれば、主治医と相談し、診断書を書いてもらって保育の現場を離れることをおすすめします。
腰痛により、乳児を抱き上げる際にフラついたなんてことになれば、園児も危険にさらしてしまいます。
何より腰痛を抱えた日々は、想像以上にストレスになり、心身ともに辛いのです。
保育士を辞めたら腰痛が自然に治ってきた、という話もよく聞きますよ。
保育士を辞めて良かった、と思う瞬間です。
人間関係からの解放
保育士の職場はやはり女性が多い傾向にあります。
そのため、女性特有のトラブルに発展しやすく、狭い世界で逃げ場もなく辛い思いをしてしまうことも。
先輩保育士に嫌味を言われたり、大変な仕事を押し付けられたり。
そんな日々が続くと辞めたくなってしまいますよね。
面と向かって言わなくても、陰でコソコソ、なんて経験を持つ保育士も少なからずいると思います。
また、モンスターペアレントに理不尽な理由で大声をあげられたり、苦情を言われたりすることもあります。
保護者の性格も一人一人違うため、接し方には最大限気を遣わなくてはいけません。
些細なことがきっかけで、保護者が機嫌を損ねることもあるのです。
- 日々の保育義務だけでも大変
- 嫌味や陰口ばかりで具体的に指導してくれない
- 保護者対応にも気を遣う
このようなことが毎日続いてしまうと「これ以上は無理!」と感じるでしょう。
保育士を辞めることで、これらの悩みから解放されます。
「もう先輩や保護者の顔色を伺ってばかりの日々じゃない!」と思うだけで、保育士を辞めて良かったと思えますね。
あまりに閉鎖的な職場や人間関係が劣悪な職場の場合、「逃げる」ことも選択肢の一つです。
人間関係の風通しが良く、オープンで気さくな保育園もたくさんありますよ。
保育士にも「職場を選ぶ権利」があるのです。
待遇の良い職場への転職
保育士の仕事はとにかく労働時間が長く、重労働です。
そして、それに見合った給料がもらえないということが問題視されていますよね。
実際、給料や待遇、労働時間が原因で辞める保育士はとても多いのです。
潜在保育士を増やしている一因とも言われています。
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」の中で発表されている「保育士の退職理由」では、
- 給料が安い 29.2%
- 仕事量が多い 27.7%
- 労働時間が長い 24.9%
となっており、上記の3つが退職理由の上位を占めています。
待遇や労働条件が良い職場に移ることができれば、これからは悩みを抱えながら働く必要はなくなります。
「働いても働いても手取りが増えない!」「貯金すらできない!」なんてストレスがなくなるのです。
待遇の良い保育園に転職すれば、これらの問題から解放されるかもしれませんね。
現在は、自治体単位で「保育士の処遇改善」に本腰を入れて取り組んでいるところもあります。
皆さんが今働いてる都道府県や市区町村はどうでしょうか?
隣の区では処遇改善がとても進んでいた!なんてこともあります。
自治体ごとに取り組みに差があるため、一度調べてみてもよいでしょう。
保育士を辞めて後悔
「保育士を辞めて良かった」という例がある一方で、後から「保育士を辞めて後悔」という例もあります。
ここでは、保育士を辞めて後悔したという具体的な例を見てみましょう。
やっぱり子どもが好き
保育士の仕事を選ぶ方は、もともと「子ども好き」な方が多いと思います。
保育士を辞めることで、毎日一緒に過ごしてきた子どもたちの成長を見ることができなくなってしまいます。
私自身も保育士を辞めた後、外出時ふとした子どもの笑い声や泣き声に、つい反応してしまうことがありました。
職業病かもしれませんね。
「子ども達に囲まれた賑やかな生活」に慣れてしまうと、静かな環境が物足りなく感じたりもします。
退職後しばらく経過して、自分の心身が落ち着いた頃に、急に寂しくなってしまうケースもあるようです。
0歳児から保育をして、大きくなっていく子ども過程を間近で見ていると、余計に別れは寂しいものです。
やはり自分は子どもが好きで子どもと関わる仕事が向いている、と後から気付いて辞めたことを後悔してしまう方も多いようです。
保育士と同じくらいハードで安月給
保育士の仕事は一般的に「ハードで給料が安い」というのが世間のイメージです。
しかし、当然ながら保育士だけが例外ではありません。
安月給で重労働な仕事は、世の中に山ほどあります。
全国の保育士の平均月給は、約24万5000円。
平均年収は363万4600円です。(賞与等含む)
(出典:厚生労働省令和元年度賃金構造基本統計調査より)
経験のない職業で急に同等の収入を得るのは「難しい」とも言えます。
内勤の事務職であれば一日デスクに拘束され、PC作業や電話対応、資料作成などやることもたくさんあります。
飲食業であれば、接客をしながら重い料理を何度も運び、皿洗いから店内清掃までこなします。
上記の2つは、決して保育士より給料や時給が高いわけではありません。
もちろん、保育士よりも給料が高くて仕事量の軽い仕事もあります。
つまり、求人の選択次第ということです。
保育士以外の特技や資格を持っているかどうかも、重要な鍵となります。
転職先が見つからない
保育士の仕事が辛すぎる!と急に辞めてしまうと、自分自身が困ってしまうことになります。
特に一時的な怒りなど感情に流されて、勢いで辞めてしまうのは非常に危険です。
退職してから後悔しても、遅いのです。
一度仕事を辞めて、何かしらの仕事を見つけ再就職しても、給料がもらえるのは1ヶ月後となります。
退職金が思っていたより少なかった場合など、焦って再就職しなければいけません。
保育士の資格と経験しかない場合、焦って求人を探しても、やはり保育園勤務となるか、経験資格不問の仕事となるでしょう。
事務職であれば、簿記などの資格を問われることもあります。
他にも、一般的に「無資格で可」と言われている医療事務なども、やはり経験者のみの募集であることも。
仕事を辞めたとしても、毎月必ず必要になるお金は変わらないのです。
保育士を辞めるのであれば、「次の道」「今後の生き方」を徹底して考えてからのほうが良いでしょう。
保育士を辞めて後悔しない方法を解説!
様々な理由で保育士を辞める方はたくさんいます。
中には、病気の発症や「いじめ」など、仕方ない理由で辞める場合も。
辞めたくて辞めた人と、辞めたくないのに辞めた人では立場も違います。
また、スッパリ辞めた人、迷いに迷って辞めた人もいます。
辞めたくないの辞めざるを得なかった場合や、迷いに迷って辞めた場合でも、後悔はしたくないですよね。
ここでは「辞めて後悔しない方法」について、具体的にお話しします。
保育士になった頃の気持ちを思い返す
「保育士になりたい!」と志したのはいつですか?
小学生の頃だったり、中には自分が保育園に通う中で保育士の先生に憧れて志した方もいると思います。
憧れて志してから、大学や短大・専門学校の保育科に進み、実習なども経験したと思います。
実習先で「こんな素敵な先生になりたい!」と改めて保育士の仕事に魅力を感じた方もいると思います。
新卒時代は辛いことのほうが多いですよね。
私自身、新卒さんが入ってきた時、「どうして保育士になろうと思ったの?」とよく聞いていました。
コミニュケーションを取って緊張をほぐすためでもありますが、「初心」を大事にして欲しいというのもあります。
- 子どもが好きだから
- 保育園の先生に憧れたから
- 保育士として働く母を尊敬していたから
など理由は様々です。
保育士になりたての頃は、みんな生き生きと答えてくれたのが印象的でした。
「辞めたい」と気持ちでいっぱいになってしまった時、一度「初心」を思い出すのもよいでしょう。
保育士を辞めたい理由を明確に
一度「辞めたい」という気持ちに支配されてしまうと、冷静な判断ができなくなってしまいます。
保育士が「辞めたい」と思う理由について、上記の項目で色々紹介しました。
- 自分はどれに当てはまるのか
- その理由は辞めないと解決できないのか
を、客観的に考える時間も必要です。
辞めたい理由がありすぎる!という方から、理由は1つだけど自分では解決できない問題!という方まで様々だと思います。
辞めたい理由を紙に書き出したり、誰かに話したりすることで、冷静な判断がしやすくなるかもしれません。
頭の中でざっくり考え続けるだけでなく、理由は「明確に」させておくことで、後悔せずに済むでしょう。
転職活動は徹底する
保育士から他の職へと転職するとなると、「未経験」なので採用されるか心配になるでしょう。
実際、求人にエントリーして何度か不採用になると、気持ちが焦ってしまいます。
とにかく採用してくれる職場を!という気持ちで、本意ではない会社に転職してしまう人もいます。
そしていざ勤務を開始すると、求人内容よりもキツいことに気づき、保育士の方がまだよかったと後悔するケースも。
転職活動はできるだけ余裕をもってスタートし、焦らず探すことをおすすめします。
そして冷静に、じっくりと選択するように心がけましょう。
どのような転職希望者でも、何度か不採用になることは当たり前です。
しかし、未経験でも採用してくれる会社ももちろんあります。
やる気次第な場合もあるので、ネガティブにならず根気強く頑張りましょう。
本当に今の職場よりもいいのか?を考える
次に転職をする職場が決まったら、保育士を辞めることはできるでしょう。
しかし、
- 本当に今の職場よりも条件がいいのか
- 働きやすいのか
など、新しい職場での仕事を開始するまで分かりませんよね。
どんな仕事でも、お金が全てではありません。
やはり保育士の仕事は、やりがいを感じているかどうかが大きく影響してきます。
転職するなら、今の保育園に帰ってくることはできないことを覚悟しなければいけません。
そして、可能であれば、今の保育園でお休みをもらうなどして、「1日体験」として働いてみてもよいでしょう。
できる限り、新しい職場の雰囲気や仕事内容を先に知っておくことをおすすめします。
転職先を見つけてから辞める
当たり前ではありますが、今の仕事が辛すぎるからといって、いきなり保育士を辞めてしまってはいけません。
職場の同僚に大きな迷惑がかかってしまうことになります。
しっかりと引き継ぎをすることが大前提です。
そして、きちんと次の転職先が決まってから辞めるようにしましょう。
すぐに転職先が決まる人のほうが稀です。
何度か不採用になることも覚悟し、しっかりとした意思を持って職探しをしましょう。
特に一人暮らしをしている場合、次の仕事もないまま退職すると、毎月の支払いなどにも困ってしまいます。
ゆとりを持って転職をすることで、焦って条件の合わない仕事に転職しなくて済みますし、引き続きなどもしっかり行えます。
なるべく年度末に区切りをつける
現在働いている保育園から転職する場合、年度途中ではなく、なるべく年度末に辞めるようにしましょう。
年度途中で担任の先生が変わるとなると、園児も保護者も不安になります。
後任の担任も不安を抱えた子ども達を受け持つのは大変なことなのです。
大好きな子どもたちを不安にさせたくないですよね。
保護者も前任の担任とやり方が違うと、何かと戸惑ってしまいます。
事情がある場合は別ですが、年度末までは何とか頑張って見てあげてほしいです。
もちろん、どうしても年度末まで働くのが難しいケースもあります。
その場合、一ヶ月前には退職する旨を保育園に申し出て、しっかりと引き継ぎをしましょう。
社会人である限り、無断欠勤を繰り返したり、「辞めます」と言って出勤しない、などということは避けなければいけません。
保育士として雇用形態を変えて働くことも検討
保育士の仕事は、早朝から始まり夜遅くまで拘束されてしまうのが普通です。
仕事に費やすことになる時間が長時間になることで、心身の余裕もなくなってしまいます。
その問題を根本的に解決したいなら、正社員からパートタイム保育士になるのもよいでしょう。
パートなら、1日4〜8時間、週3〜5回など幅広い勤務形態が選べます。
パート保育士は「担任を持たないフリー」として働くため、プレッシャーも軽くなります。
担任を持っている時は、クラス保育でいっぱいいっぱいな方もいるかもしれません。
フリー保育士になって、色んなフロアで流動的に働くことで視野が広がったという方もいます。
もちろん、正規雇用の保育士より手取りは減ってしまいます。
しかし、保育園によっては「早番」「遅番」の時給だけ高い場合もあります。
早番か遅番の固定勤務になることで、輪番制で生活が不規則になる!という悩みも解消します。
保育園によって時間帯や時給は異なります。
しかし、保育業界は慢性的に人手不足が深刻です。
そのため、早番・遅番の専任パートは貴重な人手として歓迎される場合も多いようです。
働き方の一つとして、パート保育士も視野に入れてみていいかもしれません。
まとめ
今回は、保育士を辞めて良かった例と辞めて後悔した例を色々ご紹介しました。
併せて、保育士を辞めて後悔しない方法も解説しました。
後悔せずに辞めることができるなら、自分にとってもベストな選択になるでしょう。
悩みやストレスを抱えやすい保育士だからこそ、「辞めたい」という感情は付き物かもしれません。
激務による体の疲れなどもありますよね。
ふと「辞めたい」と思った時や、本格的に「辞めたい」と思った時まで、今回の記事が参考になれば幸いです。