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保育園における年間指導計画は、子ども達の健やかな成長と発達を促すための重要なツールです。
保育園は、子ども達が安心して学べる遊び場であり、個々の発達段階や個性に合わせた適切な支援を提供する役割を果たしています。
年間指導計画は、保育園の教育方針や目標を具体的に表現し、保育士や関係者が一丸となって取り組むための指針となります。
各年齢ごとに年間指導計画を作成して保育にあたります。
この記事では、1歳児の年間指導計画について解説します。
保育園の年間指導計画・1歳児
1歳児の年間指導計画は、保育園での生活のベースになるものでもあります。
各年齢の成長段階によって計画を練っていくため、子ども達の姿によって計画も変わってきます。
年間指導計画は保育所保育指針に則って作成するため、5領域に沿うことが大切です。
保育園の年間指導計画は、保護者との連携や地域との関わりも考慮しながら作成されるため、多くの要素が組み合わさった総合的な計画となります。
子ども達が安心して成長できる環境を整え、豊かな学びの経験を提供するためには、年間指導計画が重要な役割を果たすことは間違いありません。
【年間目標】
- 保育士との信頼関係を築き、自分でやってみようとする
- 保育士に援助されながら、基本的生活習慣の基礎が身に付く
1歳児の年間指導計画・5領域
5領域は、健康、人間関係、環境、言葉、表現に分けられます。
これらを踏まえながら1歳児の子ども達に対してどのように保育し援助していくのか考えていく必要があります。
それぞれどのような意味があるのかお伝えしていきます。
健康
心身の健康に関する領域で、子ども達が安全で健康に過ごすためのものです。
- 汗をかいたら着替え、清潔にする心地よさを感じる
- 手洗いの方法を知り、やってみようとする
人間関係
人との関わりに関する領域で、保育者や友だちとの関係、関わり方についてのものです。
- 保育者を仲立ちとして、友達と関わりながら遊ぶ楽しさを味わう
- 友達に関心を持ち、関わって遊ぶ楽しさを味わう
環境
身近な環境との関わりに関する領域で、人的環境や物的環境があります。
- 好きなおもちゃや場所を見つけ、安心して遊べるコーナーをする。
- 水あそびや泥んこなど、夏ならではの遊びを楽しむ
言葉
言葉の獲得に関する領域で、これから言葉を獲得していくために必要なことです。
- 簡単な言葉のやり取りを楽しむ。
- 「マンマ」「にゃんにゃん」等、簡単な単語を言おうとする
表現
感性と表現に関する領域で、子ども達の思いや気持ちの表現に関わるものです。
- 自分の思いを言葉や仕草で表現しようとする
- 音楽に合わせて身体を動かすことを楽しむ
1歳児の年間指導計画・健康安全
1歳児の年間指導計画の健康安全は、子ども達が健康で安全に過ごせるような目標や内容を計画として立てていくことが必要となります。
目標・内容の例文をご紹介します。
【目標】
- 一人一人の発達に合わせた遊びを通して、体を動かす楽しさを感じる。
- 発育や健康状態を把握し、一人一人の生活リズムを大切にしながら、生理的欲求が満たされるようにする。
【内容】
- 安全な環境づくりと事故防止
室内および屋外の遊び場の安全確保
- 保育者との安心できる関係作り
生理的欲求を満たしてもらうことで安心して過ごす。
1歳児の年間指導計画・表現
1歳児の表現については、1歳児なりの表現方法が身につくような援助が必要なので、それに紐付けながら計画を立てていきます。
自分の思いを表現するためには、何より保育者との信頼関係が大前提にあります。
そのことを念頭に置いて計画を立てるようにしましょう。
目標と内容の例文をご紹介します。
【目標】
- 自分なりの表現で思いを伝えられるようになる。
- 思いを受け止めてもらったり認められたりする中で、自己肯定感が高まってくる。
【内容】
- 喃語や片言を優しく受け止めてもらい、発語や保育者とのやりとりを楽しむ。
- 保育者との信頼関係の中で自分の気持ちを安心して表現できるようになる。
1歳児の年間指導計画・養護
1歳児では養護の部分が非常に重要です。
安全健康にも関わってくる部分ではありますが、子ども達を守り育てていくという面で欠かすことができない項目です。
子ども達が安心して過ごすため、信頼関係を築くために必要なことを計画していくのが良いでしょう。
【目標】
- 個人差や発達の違いに留意しながら丁寧に関わり、大切にされているという実感をもてるようにする。
- 保育士との信頼関係を築き、安心して過ごす。
【内容】
- 一人一人の癖、特徴、発達状況を把握し、抱っこやおんぶなどを通してスキンシップを取りながら信頼関係を築いていく。
- 子どもの不安や欲求を受け止め、安心感や信頼感を抱けるようにする。
1歳児の年間指導計画・長時間保育
保育園では長時間保育をうける子が多いです。
そのための計画も遅番保育担当の保育士が立てて共有することが必要です。
長時間保育は子ども達の負担になることが多いので子ども達が安心して、怪我なく過ごすことが大切です。
【目標】
- 安全に過ごす中で、遊びの繋がりを持ちながら生活する。
- 安心できる環境の中で、保育者との関わりを十分に楽しむ。
【内容】
- 一人一人の様子に応じて、落ち着いて環境の中で迎えを待つことができるようにする。
1歳児の年間指導計画・自己評価
年間指導計画は、常に自己評価をしながら計画し直すことが必要です。
子ども達の姿を見ながら計画を立て実行しても、計画の通りにいかないことの方が多いです。
なぜうまくいかなかったのかを自分なりに分析し、計画を変更することが大切になります。
年間指導計画も、自己評価を基に適宜変更していくようにしましょう。
年間指導計画の反省の書き方・1歳児
年間指導計画の反省も同様に行います。
年間指導計画は園ごとに異なりますが、大体4期に分かれています。
1年に1回の反省だと改善が難しい場合があります。
そのためには期ごとに反省を行うことが必要です。
年間指導計画の反省を期ごとに行うことで、次期にはどのように保育を進めていくのか見通しを持つことができるでしょう。
自分の行ってきた保育や計画の振り返りをし、反省していくことがより良い保育の第一歩です。
年間指導計画の反省の書き方・1歳児
年間指導計画の反省の書き方には、園によって様々な様式があるため、一概にこれが良いというものはありません。
自分自身の振り返りはもちろん、他の職員にも共有するものになるので、自分の行ってきた保育や計画がどのようなもので、今後どうしていくのかということがわかりやすく記載されていくと良いでしょう。
ここで年間指導計画の反省のポイントをご紹介します。
1歳児では子どもの主体的な遊びを重視しているので、子ども達が主体的に遊びを実現できている場面の環境構成や援助について記載しながら子ども達の学びを読み取っていきます。
読み取ったことや子どもの成長している部分を家庭と共有していくことが大切です。
反省の中に家庭とどのように連携をとって進めてきたのかという部分も記載があると、とても分かりやすいでしょう。
- 一人遊びを楽しみながらも友達の存在を意識して、少しずつかかわろうとする姿が見られるようになった。
保育者が仲立ちをすることで、友達同士で同じことをして楽しんだり、笑いあったりする姿も増えてきた。 - 毎日のお迎えの際に、その日の出来事を共有して、子供の成長を伝え、共通理解で保育が出来る様に心がけた。
- 保護者からの悩みや相談については、その都度担任間で話し合い、より良い対応が出来る様にして行った。
まとめ
年間指導計画と聞くと少し堅苦しく難しい印象がありますね。
しかし、難しく考えずに、私たち保育者が子ども達の成長を促すための環境構成や援助について予想しながら記載していくものです。
そのために5領域を捉えながら子ども達の成長を捉えていきましょう。
保育士という仕事が人間形成の基盤になることはいうまでもありません。
子どもの育ちを保障してあげられる保育士となるためにも年間指導計画を立て、実行し、反省、改善しながら保育を進めていきましょう。