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「ごはん食べよう!」「イヤ!」
「お風呂入ろう!」「イヤ!」
「自分でやる!」と言って始めたものの、「できない!」と泣き、手伝おうとすると「自分でやりたかった!」と泣く。
『イヤイヤ期』と言われるなんでも『イヤ!』『自分で!』と主張する時期があります。
大人は『どうしたらいいの…』と頭を悩ませることが多いですが、イヤイヤ期がない子もいます。
イヤイヤ期があれば悩み、なければ心配とどちらにしても悩ましいイヤイヤ期。
ここではイヤイヤ期がない場合の心配事をご紹介します。
少しでも心配事が減り、楽しく育児できるきっかけとなれば嬉しいです。
イヤイヤ期がない子は賢い?
イヤイヤ期がない子が賢いと言われる理由の1つとして、言葉や発達の早さが挙げられます。
イヤイヤ期は、自分の意志はあるのに言葉でうまく伝えられず、『違う、そうじゃない!』『どうして分かってくれないの!』という思いから、激しく泣いたり、怒ったりすると言われています。
言葉の発達が早いと、自分の思いを言葉で伝えられるようになるため、イヤイヤ期の特徴が見られないということがあります。
また、イヤイヤ期は自分のやりたいことはあるのに、思うようにできずイライラしてしまうこともあります。
発達の速い子はある程度のことができるようになるので、その分イライラしてしまうことも少ないようです。
以上のことから、『イヤイヤ期がない子は賢い』と言われることもあるようです。
ですが、将来の学力にはイヤイヤ期があった・なかったは関係ないとされています。
イヤイヤ期がない子の特徴
イヤイヤ期がない子には、3つの特徴があります。
言葉でコミニケションを撮ることが可能
イヤイヤ期は【自分の思いが言葉でうまく伝えられない】ため、全ての気持ちを『イヤ』という一言で表現しています。
『●●したい』『もう少し遊びたい』『いっしょにやろう』『1人でがんばる』と自分の思いを言葉で伝えることができれば、子ども自身イライラすることが少ないです。
イヤイヤ期がない子は、【言葉で伝える】ことで、自我の表現ができています。
執着心が少なく、切り替えが得意
遊びや物への執着心が少なく、『これは終わりにして次のことをしよう』、友だちに玩具を貸してと言われてもすぐに『いいよ』と貸すことの出来る子は、イヤイヤ言うことも少ないです。
また、場面の切り替えが得意な子も、すぐに違う楽しいことを見つけ、気持ちを切り替えることができるので、イヤイヤ言うことが少ないです。
子どもの性格にもよりますが『ま、いいか』と切り替えができる子もいます。
我慢することを覚えている
子どもの中には、早い時期から我慢することを覚え、本当は『イヤ!』と言いたい場面でも、その言葉を飲み込んでしまう子もいます。
大人の顔色を伺う子、下の子が生まれたばかりの子など、その子を取り巻く環境がそうさせているようです。
誰でもいつかは我慢を覚えないといけないので、決していけないことではありません。
しかし、イヤイヤ期は自我を認め、自立を促す大切な時期です。
子どもの個性や大人の環境により捉え方も異なりますが、子どもが自分の気持ちを飲み込んでいる場合、注意が必要です。
イヤなことがあったら伝えていいんだよということを、繰り返し伝えて、その子らしく表現できる環境を作ってあげましょう。
イヤイヤ期がない子の将来
イヤイヤ期があった子となかった子では、成長に大きな差はないと言われています。
しかし、ドイツの心理学者・ヘッツァーによると、イヤイヤ期があった子となかった子100人の成長を見守ったところ、青年期の意志の強さに違いが見られたという研究結果もあります。
イヤイヤ期のあった子のうち84人が、自分の意思をしっかり持ち自分で判断できるように育ったのに対し、イヤイヤ期のなかった子は16人だったという研究結果です。
イヤイヤ期は自我形成に大切な時期です。
もし環境が原因で自分の気持ちを出せていないのでは?と感じることがあれば、大人が環境を整えていきましょう。
イヤイヤ期がない子は発達障害?
イヤイヤ期がないということで、発達障害を疑うことはありません。
発達障害の診断基準に、『イヤイヤ期があったか、なかったか』ということは含まれていません。
イヤイヤ期がない子は自閉症?
自閉症スペクトラムのお子さんを持つ保護者は『イヤイヤ期がなく、育てやすかった』と言う方もいます。
『イヤイヤ期がないということは、自閉症スペクトラムなのでは?』と思われることもあります。
しかし、自閉症スペクトラムは脳の機能による障害、イヤイヤ期は成長過程により起こるものですので、全く違います。
自閉症スペクトラムの判断基準にも『イヤイヤ期があったか、なかったか』ということは含まれていません。
例えば、『食事を特定の物しか食べたがらない』という場面。
イヤイヤ期は『色・味が好きではない』という理由が多いことに対し、自閉症スペクトラムの場合は口腔内の感覚過敏、こだわりで自分のルールと違うことはできないという理由が多いです。
イヤイヤ期がないということではすぐに自閉症スペクトラムは疑わず、声の掛け方・関り方・環境を変えるなどをしてみましょう。
イヤイヤ期がない割合
博報堂の調査によると、『今、イヤイヤ期だと思うか』の質問に対し、月例ごとに以下の割合となっています。
1歳6か月~11ヶ月 | 56.8% |
2歳0か月~5か月 | 77.3% |
2歳6か月~11ヶ月 | 72.8% |
3歳0か月~5か月 | 61.3% |
参考:https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2018/01/20180118.pdf
この調査によると、2歳がイヤイヤ期のピークであることが読み取れます。
その一方、4人に1人が『2歳でもイヤイヤ期ではない』となります。
すでにイヤイヤ期が終わった・3歳以降に迎える・保護者がイヤイヤ期と捉えていないという場合もあります。
イヤイヤ期がないのはなぜ?
イヤイヤ期がないと言われる子は、言葉や発達が早いと言われています。
しかし、そんな子たちも全くイヤイヤ期がないという訳ではありません。
日常の関わりの中で、自己主張が見られるはずです。
子ども自身が自分の感情を上手くコントロールしたり、両親もたくさん誉めるなどして、上手にコミニケションを取っているので、イヤイヤ期がないと思う場合もあります。
『イヤイヤ期がない』だけで判断せず、目の前の子どもに向き合い、今どんな感情なのかということを考えてみてください。
まとめ
『イヤイヤ期がない』ということについて、ご紹介いたしました。
あっても悩み、なくても悩むのがイヤイヤ期。
子どもの成長に必要な過程であるということは十分に理解していても、大人にとっても難しい時期ですね。
イヤイヤ期がある・ないにとらわれるのではなく、目の前のお子さんがどんなことを思い、どんなことを伝えようとしているのかということに目を向け、少しでも親御さんの気持ちも軽くなればと思います。
ただ、一生懸命子どもに向き合うことも大切ですが、親の息抜きも必要です。
1人でがんばろうとするのではなく、周りを思い切り頼って、親の気持ちを少しでも楽にすることで、子供も楽しい毎日を送ることができます。
決して1人ではないので、どんな悩みでも周りをたくさん頼ってくださいね。