保育士の配置基準2021!自動計算も紹介!

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保育士の配置基準とは、保育士1人が担当する子どもの数のことです。

保育士の配置基準は法律で決まっており、どこの保育園も守って保育をしています。

実は長い間、変わっていない制度でもあり「おかしい」という現場の声もあります。

今回は、保育士1人が担当をする子どもの数である配置基準について解説します。

保育士の配置基準って何?

配置基準は自治体や保育施設によってどう違うの?

配置基準の見直しは進められているの?

など、保育士の配置基準について詳しくご紹介します。

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保育士の配置基準2021

保育士の配置基準とは、保育士1人が対応可能な子どもの数の基準です。

 

子どもの安全を確保するために定められている基準となっています。

お世話に手のかかる低年齢の子どもほど、1人の保育士が保育できる子どもの数は少なくなります。

 

国が定める配置基準では、保育園を運営する場合、

常時2名以上の保育士の配置が必要であること

・原則として基準を下回らないこと

が、定められています。

 

年齢ごとの配置基準をご紹介します。

0歳児の配置基準

0歳児は3人の子どもに対して保育士1人が必要です。

 

0歳児とは、4月~3月までに1歳を迎える子どもたちのことです。

まだ小さな赤ちゃんたちで手がかかる分、保育士1名が保育可能な人数は、一番少ない人数になっています。

1・2歳児の配置基準

1歳児と2歳児は6人の子どもに対して保育士1人が必要です。

 

1歳児と2歳児の人数が同じというのは違和感がありますね。

しかし、国の配置基準ではこのように決まっています。

3歳児の配置基準

3歳児は20人の子どもに対して保育士1人が必要です。

 

3歳児は幼稚園では「年少」にあたる年齢ですね。

この時期になると20人の子供に対して保育士1人と一気に増えます。

 

身の回りのことや生活面が自立してくる年齢ですが、まだまだ1人1人の子どもから目が離せない年齢でもあります。

4・5歳児の配置基準

4歳児と5歳児は30人の子どもに対して保育士1人が必要です。

 

大きな年齢になると、30人の子どもに対して1人の保育士の配置になります。

年中や年長と呼ばれる年齢で、一クラスの子どもの人数も多くなります。

自分の身の回りのことは一人で出来るという判断から、このように決まっています。

障がい児加配

年齢による配置基準の他に、障がい児加配という制度もあります。

 

個別にサポートの必要な子供に対しての保育士です。

  • 軽度や中度だと3人に対して保育士1人
  • 重度だと1人に対して保育士1人

と定められており、より手厚い保育が求められるようになります。

地域型保育事業の配置基準

地域型保育事業は、

  • 小規模保育事業
  • 事業内保育事業
  • 家庭的保育事業
  • 居宅訪問型保育事業

の4つに分類されます。

 

それぞれの事業所の配置基準にご紹介します。

小規模保育事業

小規模保育事業には3つの種類があり、配置基準が異なります。

A型

・職員数:保育園の配置基準+1人

・職員資格:保育士(全員)

・定員:6人以上19人以下

・保育室の面積:0歳・1歳…1人当たり3.30㎡/2歳児…1人当たり1.98㎡

 

A型は、保育所分園やミニ保育所に近い形態です。

職員の配置基準は、全員が保育士資格を有し、従来の保育所よりも保育士を1名多く配置するよう定められています。

B型

・職員数:保育園の配置基準+1人

・職員資格:1/2以上が保育士

・定員:6人以上19人以下

・保育室の面積 :0歳・1歳…1人当たり3.30㎡/2歳児…1人当たり1.98㎡

 

B型は、A型とC型の中間の形態です。

職員の半数以上が保育士で、職員の配置基準はA型と同様です。

従来の保育所よりも保育士を1名多く配置するよう定められ、必要面積もA型と同じです。

C型

・職員数:子ども3人に1人(補助者を置く場合は5人に2人) 

・職員資格:家庭的保育者

・定員:6人以上10人以下

・保育室の面積:1人当たり3.30㎡

 

C型は家庭的保育(グループ型小規模保育)に近い形態です。

職員は、市町村が行う一定の研修を終了している家庭的保育者が働けるようになっています。

事業内保育事業

事業内保育事業は、預かる子どもの人数によって、保育士の配置基準が異なります。

20名以上の場合(保育所型事業所内保育事業)

  • 0歳児:保育士1名に対して子3名
  • 1~2歳児:保育士1名に対して子6名

19名以下の場合(小規模型事業所内保育事業)

  • 国の規定+1名以上

家庭的保育事業 

家庭的保育事業では、預かる子どもの年齢に応じて、保育士の配置基準が異なります。

  • 0歳児:家庭的保育者1名に対して子ども3名

(家庭的保育補助者がいる場合、職員2名に対して子5名。)

  •  1~2歳児:家庭的保育者1名に対して子ども3名

(家庭的保育補助者がいる場合、職員2名に対して子5名。)

 居宅訪問事業型

  • 子ども1人に対して保育士1人。

居宅訪問事業型とは、認可保育所への入所までの期間、自宅で家庭的保育者が子どもを1対1で保育するものです。

認可外保育施設の配置基準

認可外保育施設の配置基準は、下記の通り2通りあります。

保育時間が11時間以内の認可外保育施設

認可保育施設と同一の配置基準となります。

  • 0歳児:子ども3名に対して保育士1名
  • 1~2歳児:子ども6名に対して保育士1名
  • 3歳児:子ども20名に対して保育士1名
  • 4〜5歳児:子ども30名に対して保育士1名

 保育時間が11時間以上の認可外保育施設

保育中の子どもが1名の場合を除き、常時2名以上と定められています。

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保育士の配置基準の自動計算

配置基準は国や自治体、園の種類などで異なるため、どうやって計算すればいいか悩みますよね。

そこで、保育士の人数の計算方法を、順を追って紹介します。

 

① 地域の配置基準を確認する

保育士を計算する際、保育園のある地域の配置基準をもとに計算します。

小規模認可保育園の場合は、保育士の人数によって「A型」「B型」「C型」と分かれます。

 

② 保育園の定員を確認する

0歳児~5歳児まで、それぞれ何人の子どもが在籍しているかを確認します。

ここでは、98人の子どもがいると仮定し、次のように人数を設定します。

 

【参考例・在園児98名の場合】

  • 0歳…3人
  • 1歳…10人
  • 2歳…20人
  • 3歳…20人
  • 4歳…20人
  • 5歳…25人

③ 子どもの年齢ごとに分け、在園児数を保育士1名で保育可能な配置基準の定員数で割ります。

 

国の配置基準をもとに、②の参考例を使って計算してみましょう。

計算式は、在園児数÷配置基準の定員数=保育士の数

  • 0歳…3人÷3人=1→保育士1人
  • 1歳…10人÷6人=1.6→保育士2人
  • 2歳…20人÷6人=3.3→保育士4人
  • 3歳…20人÷20人=1→保育士1人
  • 4歳…20人÷30人=0.6→保育士1人
  • 5歳…25人÷30人=0.8→保育士1人

小数点以下は全て繰り上げて計算)

 

計算した人数を足すと、この園では保育士が10人必要になることがわかります。

早朝や延長保育の配置基準

上記の計算で出た数字は、あくまでも日中に必要な最低限の人数です。

朝夕の延長保育を実施する場合、2名以上の保育士を追加する必要があります。

 

園長などの管理職も有資格者に含めますが、実際には保育に入らないことがほとんどです。

その場合、計算に1人追加するなど、保育士の人員は状況に応じて決めるようにしましょう。

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配置基準がおかしい

ここまで現行の保育士の配置基準について解説してきました。

しかし、現行の配置基準の通りに最低限の保育士を配置しても、保育は成り立ちません。

 

保育士は休憩を取るどころか、トイレにも行けませんね。

足りない人手を、パートのフリー保育士で補っている保育園が多いのも現実です。

現行の配置基準は70年も前に制定をされたもので現在も見直しがされおらず、問題点も多いのです。

 

保育士の配置基準について、「おかしい」と感じる問題点は以下の点になります。

 1歳児と2歳児の配置基準が同じ

1歳児と2歳児では発育も発達も全く違います。

しかし、1人の保育士が見る子どもの数は同じ。

 

子どもが自分でできる範囲に大きな差があり、業務量にも大きな差が生まれるのです。

同じ人数を見なければならない現実にギャップを感じますね。

 3歳児20名は目が行き届かない

次に3歳児の20名に対して保育士1名という点。

3歳代前半の時期は本当に大変ですし、1人で見ることができる人数ではありません。

目が行き届かず苦労をする現実があるのです。

 

筆者の子どもが通っていた私立幼稚園では、年少(3歳児クラス)の定員は12名で、在園児は11名でした。

朝早くから夕方のお迎えまでともに過ごす保育園では、20名はかなり人数が多く「見きれない」といってもよいでしょう。

 海外の保育園と比べても預かる子どもの人数が多すぎる

日本では上記のような保育士の配置基準が定められていますが、海外の保育園と比べても人数が多すぎるといえます。

ちなみにアメリカの場合、ニューヨーク州では、保育士1人に対する子どもの人数は、

  • 6週間未満は3人
  • 6週~18カ月未満は4人
  • 18カ月~2歳児は5人
  • 3歳児は7人
  • 4歳児は8人
  • 5歳児は9人

となっています。

 

3歳児7人に対して保育士1人などは、日本とは大きくかけ離れた基準ですね。

18カ月(1歳6カ月)までは保育士1人に対して子ども4人、1歳6カ月〜2歳は5人など、区切も細かいことが分かります。

未来ある子供を手厚く保育するという考えが浸透している証拠ですね。

 

日本では、少ない保育士で数多くの子供を見るという考えが浸透しつつあります。

保育士に対し、「万能さ」が求められすぎているのです。

 

しかし、70年前とは子どもの質も家庭の子育ての方針も異なります。

この数字で現代の子どもを見るのは現実的ではないと感じますね。

よりきめ細やかで安全に保育をするためには、配置基準の見直しが必要だという意見もあります。

自治体によって配置基準が違う

自治体は、国が定めた基準を満たした状態であれば、独自の配置基準を設定することができます。

たとえば、質の高い保育を提供するために、保育士1人あたりの子どもの人数を減らすなどです。

 

保育士1人あたりの子どもの人数を減らすことで、保育士の負担が軽減されます。

より子どもと向き合って、安全に保育を行えるようになりますね。

自治体が定める配置基準は、各都道府県・市町村によっても異なるため、地域の配置基準をチェックしましょう。

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保育士の配置基準の見直し

これまで配置基準は昭和23年に定められて以来、変わらずに進められてきました。

しかし、待機児童問題の解消を目指すため、平成28年4月から緊急的な対応として基準が緩和されたのです。

緩和された3つの例を紹介します。

 朝夕の子どもが少ない時間帯での配置

これまでは、最低でも保育士2人を常時配置されいました。

しかし、朝夕の子どもが少ない時間帯は、保育士2人のうち1人は子育て支援員研修を修了した人でも代替可能となりました。

 

子育て支援員は、保育や子育ての知識が最低限ある人が対象で、自治体の研修を修了することで資格を取得できます。

 幼稚園教諭や小学校教諭の活用

幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭も、子どもと関わる仕事であるため、配置基準を満たす職員としてカウント可能となりました。

ただし、保育可能な子どもの年齢は、

  • 幼稚園教諭は3歳児以上
  • 小学校教諭は5歳児以上

といった条件があり、研修などの受講も必要です。

 8時間以上開所の際は子育て支援員の代替可能

朝夕の延長保育を行うと、必然的に開所時間は8時間を超えます。

その際には、日中に必要な配置人数に加え、保育士を追加する必要がでてきます。

そうした時、最低基準を上回って必要な保育士を子育て支援員に代わることができる特例です。

 

たとえば、保育士の最低基準が15人のケースでは、追加で必要となる3人については子育て支援員でも代替可能となります。

上記の3点の緩和措置で保育士がより働きやすい環境になっていくのかと思いきや、一方で不安の声も上がっています。

 懸念される事故の可能性

これまでは必ず保育士でなくてはいけなかった配置を緩和し、現場で子どもを見る人手を増やそうという国の方針。

人手が増えることによって、保育士がより働きやすく、より保育に集中できる環境に近づくことが期待されます。

 

その一方で、これまで以上に事故などの危険が増えるのではないかという見方もあります。

一例として、保育士の人員削減が行われる時間帯である朝の登園時には、体調のチェックを十分にできるのかなどの心配があります。

 

保育士と無資格の人では差が出る可能性があります。

また、日中の保育時間となれば子どもの安全性を守れるか、より疑問視されます。

 

内閣府の調査によれば、保育士の配置基準が守られている認可保育所でも、全国で年間700件を超える事故が報告されています。

保育の専門性や経験がある保育士でも防げない事故があり、それほど保育が難しい仕事であることがわかります。

保育の質の向上のためには、保育の専門家である保育士の人数が必要不可欠という声も上がっているのです。

 

現場では単純な労働力よりも、「保育士」の人数を求めています。

保育の質向上はもちろんのこと、子どもたちの安全を確保するためにも、配置基準の緩和は単純に疑問が残ります。

 保育士の負担増加

保育士の配置基準の見直しでは、子育て支援員や幼稚園教諭などを、保育士の代わりとして活用できるとされています。

 

しかし、それによって保育士の負担が増えるのではないかと懸念されています。

特に未満児は、自分のことがまだできなかったり、体調不良やストレスをうまく言葉で表現することができません。

保育者側で気付いてあげる必要があります。

子どもを保育することは、現場経験のない子育て支援員にとっても、難しさを感じるところです。

 

また、保育士にとっても無資格者に保育の仕方を教えなければならないことで、負担が増えることになるでしょう。

今後はどのように見直されていくのか?

では、これから保育士の配置基準の見直しは、どのような検討が進められているのでしょうか。

配置基準にさらに余裕を持たせることを検討

厚生労働省によると、財源確保が前提ではあるものの、現状の配置基準のさらなる見直しを進めていく予定のようです。

具体的には、

  • 1歳児:保育士1人に対し子ども5人
  • 4〜5歳児:保育士1人に対し子ども25人

というように、人数を引き下げられることが検討されています。(検討の段階です。)

 

すでに一部の現場では、3歳児の保育を「保育士1人に対し子ども15人」で行っている園もあるようです。

そうした園に対して、補助金の増額が実施されているところもあるとのこと。

 

保育園の支出の大半は人件費です。

補助金が加算されれば、園としても人員配置の検討もしやすくなるでしょう。

単純な増員は、直接的な解決方法ではない

現場の保育士の声を配慮すると、近しい職種とは言え、人数を増やすだけでは現場の改善に繋がらないようです。

むしろ、保育士の負担を増やす事態を招きかねません。

 

こういった背景には、配置基準などの決定権を持つ行政側が「保育の専門性」を理解していないという原因もあります。

増員などの実行は比較的簡単ですが、より「現場の保育士」が求める本質的な改善が必要となってくるでしょう。

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まとめ

保育士の配置基準見直しについて、現行の「必要とされる保育士の人数」や計算方法などをご紹介してきました。

また、現在どのような見直しが行われているのか、それによる懸念などについても併せて解説しました。

 

配置基準が見直されてはいますが、まだまだ保育士不足・待機児童の解消など、多くの課題が残っています。

単純に増員することにより、保育の質や安全性に問題が出てくることも懸念されています。

より現場の調査が行われること、現場の声をあげていくことが最も大切なのかもしれません。

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