保育園・幼稚園の年長さんでは、就学に向けての準備が始まります。
懇談会の中では、就学に向けて保護者に話をしますね。
また、おたよりでも就学に向けてさまざまなことを伝えていかなくてはなりません。
就学のことはふんわりとわかっていても、実際に懇談会やおたよりを通して、どのような内容を保護者に伝えていくのでしょうか。
この記事では、就学に向けての年長での懇談会と、就学に向けてのおたよりについて解説していきます。
就学に関わる担任の先生は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
就学に向けて・年長の懇談会
年長の懇談会は、就学に向けてとても大切です。
初めての就学に不安な保護者さんや、兄姉がすでに小学校にいて、どっしりとかまえている保護者さんもいるでしょう。
しかし、教育も時代とともにアップデートされていきます。
今の情報を伝えるようにしましょう。
就学前の懇談会の内容としては、就学前に子どもができておいたほうがよいことを伝えましょう。
しかし、できたほうがよいというだけで、絶対にできておかなくてはならないということではありません。
保護者さんのプレッシャーにならないように、話しましょう。
先程も述べましたが、できたほうがよいというのは、学校生活で子どもがスムーズに過ごせるようになるためですので、絶対にできないといけないというわけではありません。
学校側も、1年生は1番小さいですから、出来なくて当然だというところから教育が始まるでしょう。
自分の気持ちを伝える
就学に向けて、最も大切なことは、自分の気持ちを伝えることができるということです。
- 困ったときには、だれかに助けを求めること
- むずかしいときには、正直に「むずかしい・できない」と伝えること
- やりたくないときには、自分は「やりたくない」と伝えること
小学校だけでなく、これから先、大人になっても大切なことですね。
自分の意思をしっかりと相手に伝えることは、大切です。
トイレ
次に、トイレ問題です。
年長児は、ほとんどの園児がトイレで排泄でき、失敗することもほとんど見られなくなっているかと思います。
ただ、うんちは自分で拭くことができていますか?
保育園・幼稚園・お家では、「でたよー!」の一言で大人がトイレへ行き、拭いてあげることができますが、小学校ではなかなかそうもできません。
排泄物の処理は自分でできるようになっておくと、子ども自身も安心して小学校でもトイレへ行くことができます。
また、学校のトイレが和式か洋式かも伝えてあげるとよいでしょう。
最近では、トイレの改装をしている学校が多く、大体が洋式かと思いますが、中にはいまだに和式のトイレの学校があるかもしれません。
子どもたちが戸惑わないように、保護者さんに伝えておくとよいでしょう。
お勉強
次に、就学前のお勉強です。
「まだ字が書けなくて・・・」「まだ字が読めなくて・・・」そんな悩みも多く聞きます。
はっきり言ってしまえば、学校に行けばはじめからおしえてもらえるので、年長に習得する必要はないのです。
とは言いながらも、実際は未就学児の習い事もごく普通になってきている世の中です。
私のまわりも、未就学児の学習塾通いが多くいますが、1年生になれば全員ゼロからのスタートです。
できるにこしたことはありませんが、できなくてもOKです。
ただし、字は書けなくても読めるようにしておくと良いでしょう。
幼児時代にたくさんあそびこんだ子こそ、後々伸びると言われています。
たくさん遊んで伸ばしていきましょう。
そのため、今現在の園での子どもたちの様子や、流行っているあそび、これまでの成長過程など、これらも盛り込んだ内容を伝えていきましょう。
また、懇談会は、保育士から保護者だけでなく、保護者同士の交流の場でもあります。
小学校について質問があった場合には、兄姉をすでに小学校へ通わせている保護者さんから意見をもらったり、みんなで考えていける雰囲気づくりも大切なポイントです。
保護者さん同士が交流をもてたことで、この先なにか困ったときにも助け合える関係づくりにつながるかもしれません。
就学に向けて、そわそわしている保護者さんもいますので、安心して就学にのぞめるように懇談会をすすめていきましょう。
就学に向けて・年長のおたより
就学に向けてのおたよりに記載するとよいことを紹介します。
時間を意識して行動できるように準備しておく
保育園・幼稚園よりも小学校の時間は厳しくなります。
登園時間・授業・休憩時間すべて定められていますね。
そのため、学校の始業時間などを知らせましょう。
前もって時間を園児と保護者さんが知っておくことで、意識して生活することができるでしょう。
通学路をチェックする
学校までの通学路を、親子で一緒に歩いて確認するように伝えましょう。
どこを通るのか、どこが危ないのか、何に気を付けるのか、何分かかるのか。
保護者さんと一緒に確認することで、学校へ行くときには自信をもって通学できるようになります。
また、通学路の確認の際には、交通ルールも合わせて確認できると良いですね。
早寝早起き朝ごはん
早く寝て、早く起きて、朝ごはんはしっかり食べましょう。
学校の時間帯になると、朝が早くなり、もしかしたら朝ごはんが食べられないような日があるかもしれません。
そうならないように、日頃から早寝早起きを心がけ、規則正しい生活を目指しましょう。
就学先の確認
地域の小学校へ行く子どもが多いかと思いますが、保育園や幼稚園はさまざまな地域から通っていますね。
小学校への引継ぎもありますので、担任としてどの子がどこの小学校へ行くのか、把握しておかなくてはなりません。
おたよりでお知らせ・もしくは個別に声をかけて確認するなど、保護者さんへの就学先の確認をしましょう。
ティッシュとハンカチを持たせる
小学生になると、みんな腰にポーチをつけています。
その中には、ティッシュとハンカチを入れていますが、年長さんも年明けくらいからティッシュとハンカチを自分で用意して園で過ごすとよいでしょう。
身に着けておくことで、小学校でも習慣化され、1年生になる頃には慣れているかと思います。
まとめ
就学に向けての懇談会とおたよりについて解説してきました。
いよいよ次は学校と考えると、担任は忙しくなりますよね。
毎日があわただしく、大変なこともあるかと思いますが、就学前の1年はとても大切な時期です。
子どもたちも、変化があるかもしれません。
子どもたちの変化を見逃さず、最後まで園生活を安心して過ごせるように、大切に保育をしていきましょう。
また、懇談会やおたよりで丁寧にお知らせしていても、小学校からも保護者あてに話があるかと思います。
保育園では、保育園として小学校に向けて大切にしていきたいことを伝え、子どもたちがのびのびと成長し、就学に向かっていけるように、保護者さんとも関わっていきましょう。