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「ちくちく言葉」とは、言われた相手が嫌な気持ちや悲しい気分にさせるような言葉です。
相手の心を「チクチク刺すような言葉」といえば伝わりやすいでしょうか。
その言葉と反対に、言われた相手が暖かく幸せな気持ちになり、思わず笑顔になる言葉を「ふわふわ言葉」と言います。
どちらも、近年小学校低学年の道徳の授業でも取り上げられています。
この記事では、「ちくちく言葉」に注目し、どのような言葉が「ちくちく言葉」と呼ばれるかなどをお伝えしていきたいと思います。
ちくちく言葉ランキング
ちくちく言葉というと、一番に浮かぶのは「うざい」「うるさい」「嫌い」などです。
どの言葉も、若者を中心に使うことが多い気がします。
ここでは、私が保育現場でもよく耳にしていた「ちくちく言葉」をランキングにしてお伝えしたいと思います。
5位:あっちいけ
子ども同士で遊んでいると、なかなか遊びの中に溶け込むことができない子っていますよね。
子どもの世界にも性格の合う・合わない問題はありますし、ちょっとした喧嘩が発端で「あっちいけ!」と言ってしまう場面、結構あるのです。
よく子どもからこうやって言われて泣きつかれること、保育士なら一度はありますよね。
4位:ばか
こちらもよく聞く言葉ですね。
「ばか」という言葉は、悪気がなくふざけて軽い気持ちで言ってしまう場面も多いのではないでしょうか。
言われた側は実はとても傷ついているということをしっかり認識する必要があります。
3位:うるさい
親が子どもに対してつい言ってしまうことも多い「うるさい」という言葉。
イライラしているときや、なかなか泣き止んでくれない時、つい口から出てしまう経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
「うるさい」と言われると大人でもショックですし、その後その人に話しかけることも少し怖くなってしまいますよね。
2位:きもい
小学生の兄姉が多いお子さんや、保護者が自宅で何気なく使っていて覚えてしまうこの言葉。
意味もわからず使っている子も結構多いのが怖いところ。
私が保育士をしていた時、「その言葉の意味は何かわかっているの?」と聞いたところ、答えられない子が本当に多かったです。
言葉で説明をするのが難しい言葉であるにしろ、意味もわからずただ思いついた時に、嫌な言葉を発することは良くないですよね。
1位:うざい
何か気に入らないことがあるとすぐに「うざい」という人、結構多くいます。
うざいという言葉で片付けて面倒なことから逃げていたり、特に深い意味もなく使っている場合もあると思います。
一番耳にすることが多い言葉であり、一番耳にしたくない言葉でもありますね。
チクチク言葉一覧
上記で「ちくちく言葉」をいくつかお伝えしてきましたが、「ちくちく言葉」には他にもたくさんの言葉があります。
ランキングに書いた言葉の他にも、多くの嫌な言葉がありますよね。
- 出来損ない
- 顔も見たくない
- 下手くそ
- 一人でやれば?
- 頭悪いね
- 目障りだ
- 消えろ
- 一緒にいたくない
どの言葉も人から言われたら深く傷つく、嫌な言葉です。
そして、言葉に出さずとも人を傷つけてしまうのが「無視」をすること。
人の心を刺すような事が「ちくちく言葉」というのなら・・・無視することも立派な「ちくちく」の一つと考えて良いのではないでしょうか。
チクチク言葉はいつから?
チクチク言葉については小学校低学年の1・2年生が道徳の授業で習う事が多いようです。
現代ではSNSなどの普及によってネットいじめが増え、その中でも「ちくちく言葉」とされる言葉を多用している現実があります。
「ちくちく言葉」を使い始めたのは、早ければ幼稚園・保育園のころからだと思います。
保育士をしている時も、よく「ちくちく言葉」を使う子どもの姿を見てきました。
なんの悪気もなく相手に言ってしまっている姿も多くみてきました。
いつから・・・という明確なことをお伝えすることはすごく難しいですが、とても早い段階から始まっているということはご理解いただきたいと思います。
チクチク言葉・大人
チクチク言葉は、大人でも使ってしまうことが多いです。
職場でつい、チクチク言葉を使ってしまうこともありますよね。
無意識に使ってしまうことが多い、ちくちく言葉ですが、いつの間にか避けられる人になってしまう原因となる場合もあります。
また、チクチク言葉の多い環境に身を置いていると、人はいつも緊張し、言葉の暴力を使って戦う方法を考える様になります。
チクチク言葉の反対
チクチク言葉の反対は、ふわふわ言葉です。
誰かに言われると嬉しくて、聞いていて気持ちが良くなる言葉のことです。
人間関係を良好にしてくれるふわふわ言葉を意識して使う様にしていきたいですね。
ふわふわことばとチクチク言葉、合わせて「ふわちく言葉」と言うこともあります。
ちくちく言葉とふわふわ言葉・指導案
ここでは、「ちくちく言葉」と「ふわふわ言葉」を授業などに取り入れる上での指導案についてお伝えしていきます。
指導案として、まずはねらいや指導目標を立ててみましょう。
【ねらい】
友だちとの関わりの中で、互いの良いところを見つけ尊重し合い、思いやりのある言葉のやりとりができるようにする。
ねらいにもあるように、子どもたちにまず学んでほしいことは、互いに良さがあるということ。
コミュニケーションをとる際、その人の良いところを見つけるのはとても大切なことですよね。
相手の良さがわかると、自然と相手を尊重し思いやりのある言動をすることができるのではないでしょうか。
では、実際にどのような活動を取り入れていけば良いのか、考えていきましょう。
- 「ちくちく言葉」と「ふわふわ言葉」にはどのようなものがあるのか考える。
- 自分は人に対して「ちくちく言葉」を使ってしまう事が多くないか振り返る。
などが大きな活動内容になるでしょう。
クラス全体で、実際に「ちくちく言葉」と「ふわふわ言葉」を出し合ってみると、いろいろな言葉が出てくると思います。
人によって「嫌だ・嬉しい」と感じる言葉も少し違います。
「この言葉は嫌なのか」、「こう言われたら嬉しいのか」など、新たな気付きも得られると思います。
言われたら嫌な言葉と、言われたら嬉しい言葉をどんどん言っていくだけですから、年長さんにもできますよ。
小学校では、実際にクラス全員にアンケートをとってから授業をする場合も多いようです。
「ちくちく」や「ふわふわ」と感じるのは、言葉だけでなく、口調やジェスチャーなども大きく関係してきます。
顔を背けて「うざい」と言ったり、反対にしっかりと顔をみて「ありがとう」と伝えたり・・・伝え方によっても感じ方が変わってくることにも気付けると良いですね。
まとめ
この記事では主に「ちくちく言葉」をメインにお伝えしてきました。
お子さんがいる方や保育・教育に携わる方々は、実際に子どもたちが使っている姿を目にすることも多いですよね。
ただ注意をしても、何が悪いのかなかなか理解できないのが子どもです。
人との関わりの中で、良いことも悪いことも経験して少しずつ理解していく物ですから。
その中でもし、傷付いたり悲しい思いをしていたら、そっと手を差し伸べて、「自分は人にそういうことをしないようにしよう」と気付かせてあげましょう。
その為に大人の私たちも、「ちくちく言葉」で平気で人を傷付けてしまう事がないよう、注意していかなければなりませんね。