保育園で保育実習を行う場合、指導案が必要です。
保育園や幼稚園では、子どもたちに絵本の読み聞かせをしますが、実習生が絵本の読み聞かせを行う際にも、指導案が必要です。
保育活動ではなく絵本の指導案となると、必要な時間も短く、どのように指導案を書いたらよいものか、むずかしく考えてしまう実習生もいるのではないでしょうか。
この記事では、絵本の指導案の書き方やねらいについて解説していきます。
絵本読み聞かせのねらい・指導案!
絵本の読み聞かせの指導案は、子どもが絵本を落ち着いて見ることができるように必要です。
また、実習生が計画通りに絵本の読み聞かせができるような事前準備としても必要です。
絵本の読み聞かせのねらいは、年齢によって異なることもあります。
絵本の読み聞かせは、語彙力と想像力の向上など、子どもの発達にとって大切な経験のひとつです。
また、絵本を通して、さまざまなことを学べるということもあり、絵本の読み聞かせは、保育士と子どもにとって大切なコミュニケーションとなります。
絵本読み聞かせのねらい・指導案、0歳児
0歳児は、絵本のお話を集中して聞くことはむずかしく、絵本を通して保育士とスキンシップを楽しみます。
自分で座って見ることがむずかしい子もいます。
月齢によっては保育士のひざの上に座って見るなど、保育士との関わりを大切にした内容で書きましょう。
0歳児は簡単な内容の赤ちゃん絵本がおすすめです。
例えば、だるまさんシリーズや、いないいないばああそび(あかちゃんのあそびえほん)だと、赤ちゃんでも楽しめる内容です。
年齢に合わせた楽しめる絵本を選択しましょう。
絵本読み聞かせのねらい・指導案、1歳児
お話の絵本は、まだむずかしい子どももいます。
そのため、ストーリー性のある内容ではなく、繰り返しの言葉がでてくる絵本を選択することをおすすめします。
繰り返しの言葉があることで、子どもたちはそれがおもしろくなって盛り上がりやすいです。
おすすめは、ももんちゃんシリーズです。
絵本読み聞かせのねらい・指導案、2歳児
2歳児は、保育士の話をよく聞いています。
理解力もぐんと発達し、絵本の中にでてくるセリフや言葉をひろって、口に出す子どももいることでしょう。
絵本の読み聞かせ中に子どもが発言したときに、どのように大人が反応するかも大切なポイントです。
2歳児は、簡単なお話であれば、楽しんで絵本を見ることができます。
おすすめは、わたなべあやさんのやさいシリーズです。
絵本読み聞かせのねらい・指導案、3歳児
好奇心旺盛な3歳児は、集中力に差があります。
それぞれ興味のあるものも異なります。
絵本に出てくる言葉に反応したり、保育士が1ページ読むたびに、子どもが何かしらの反応をしてくれるかもしれません。
子どもたちの反応を楽しみながら、子ども心をひきつける絵本を選択しましょう。
おすすめは、ヨシタケシンスケさんの絵本です。
とくに、『おしっこちょっぴりもれたろう』や、『ねぐせのしくみ』は3歳児にうけるでしょう。
絵本読み聞かせのねらい・指導案、4歳児
4歳児は、集中して見てくれることでしょう。
その分、しーんと静まり返って反応が見られないことから不安になってしまう場合があるかもしれません。
しかし、静かにしているということは、集中して見ているということです。
むずかしいお話を読み聞かせると、4歳児は飽きてしまい、徐々にコソコソとおしゃべりが聞こえてくるかもしれません。
ひとりが集中が切れると、次から次へと子どもたちの集中がなくなってしまうことも。
そのため、子どもたちがおもしろくて笑える・夢中になって見れるような絵本を選択しましょう。
おすすめの絵本は、『めっきらもっきらどぉんどん』『はじめてのおつかい』です。
めっきらもっきらどぉんどんは、読み方が保育者によって異なるため、子どもたちに何度読み聞かせをしても、楽しめる絵本です。
はじめてのおつかいは、大きくなってきた4歳児には、ぴったりの絵本。
どきどきハラハラするシーンもあり、子どもたちの反応が楽しみです。
絵本読み聞かせのねらい・指導案、5歳児
5歳児は、大人が思っている以上にいろいろなことを理解しており、絵本に込められて思いも感じ取ることができる子もいるでしょう。
楽しいお話は笑顔で見て、シリアスなお話は静かに見て、感動するお話は涙を流す子もいるかもしれません。
子どもの気持ちに寄り添いながら、心に響く絵本を選択しましょう。
5歳児におすすめは、『おしいれのぼうけん』です。
保育士としても、年長さんにはこの絵本を読み聞かせたいのですが、この絵本はすごく長いお話です。
絵本も重たいので、絵本を持つ手が疲れてしまうこともあるかもしれません。
数日に分けて読み聞かせるのも良いでしょう。
ほかには『ごめんねともだち』もおすすめです。
この絵本はシリーズがあります。
自分の気持ちが相手と異なり喧嘩になってしまうことが多くなってくる5歳児には、ぜひ読み聞かせしたい絵本です。
まとめ
この記事では、絵本の指導案について解説してきました。
実習期間はただでさえ緊張して、慣れない環境に疲れてへとへとなのに、指導案・・・大変ですよね。
実習の大変なところは、ただ子どもと過ごすだけではなく、その中でも保育士になるために、さまざまな学びをするということです。
絵本の読み聞かせは、保育士の読み方ひとつで、子どもを惹きつけられるかが大切です。
棒読みはNG。
読み間違え・絵本の角度・保育士の顔の向き・・・どれかが欠けてしまうと、子どもたちは飽きてしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、指導案が必要です。
しっかりと子どもの様子を予想し、どんな配慮が必要で、どんな環境構成だとよいのかを計画して、部分実習をがんばってくださいね。