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保育士は流産しやすいのか、気になりますよね。
保育士が流産しやすいかどうかは、職場環境によるところが多いと考えられます。
また、保育士の妊娠がわかった際、注意しなければならないことの一つに「感染症」があります。
妊娠中に感染症にかかることで、
- 症状が重症化しやすい
- 流産のリスクが高まる
- 胎児が病気になる場合もある
などの危険性があります。
妊娠中の保育士さん、今後妊娠を望んでいる保育士さんに読んでいただければと思います。
保育士は流産しやすい?
一般的に妊娠初期の流産は、8~15%の確立で起こると言われています。
妊娠初期は、流産のリスクが高いため、おなかに負担がかからない様に配慮しなければなりません。
しかし、職場環境によっては、妊婦の保育士でも、迷惑をかけないように妊娠前と同様に動くことが求められる場合があります。
務めている園が全て、の様に考えてしまいがちですが、妊婦の保育士を大切に配慮してくれる保育園もあります。
保育士は流産しやすい?と感じるような職場環境の場合は、転職を検討しても良いでしょう。
保育士は妊娠中の感染症に注意!
妊娠中の保育士は、具体的にどのような感染症に注意しなければならないのでしょうか?
ここでは、妊娠中に注意が必要な感染症と、その特徴について解説します。
水痘(水疱瘡)
水痘は「水痘帯状疱疹ウィルス」の感染によっておこります。
毎年約100万人が感染していると言われています。
そのほとんどは9歳以下です。
国内では95~98%の成人女性が、水痘に対する「抗体」をすでに持っていると言われています。
水痘もしくは帯状疱疹に一度かかったことのある人は、再感染はしません。
成人期(特に50歳以上)に帯状疱疹として再燃することはあります。
水痘の症状
- 2週間程の潜伏期間を経て、かゆみを伴う全身性発疹が生じる
- 発疹は水疱となり、最終的には痂皮化する
ただし、
- 妊娠中は重症化しやすい
- 特に妊娠末期に感染すると肺炎などの合併が増える
と言われています。
妊娠中に水疱瘡に感染した場合、胎児への影響も心配ですよね。
具体的には、
- 妊娠初期:0.55%
- 妊娠中期:1.4%
- 妊娠末期:0.0%
の割合で、「先天性水痘症候群」が発症したとの報告があります。
また、妊娠20週から分娩21日前に水疱瘡に感染すると、出生した赤ちゃんの 9%は乳幼児期に「帯状疱疹」を発症します。
麻疹
麻疹は、「麻疹ウイルス」が空気感染・飛沫感染・接触感染によって、人から人にうつる急性ウイルス感染症です。
感染力がとても強く、免疫を持っていない人が感染者に接すると、「90%以上」が発症するといわれています。
感染力が強く、手洗いやマスクだけでは感染を防ぐことができません。
麻疹の症状
- 10日くらい経ってからせきや鼻水、38度程度の発熱など、風邪のような症状が起こる
- その後2~3日くらい経つと、39度以上の高熱が出て全身に赤い発疹があらわれる
- 肺炎や中耳炎、脳炎などの合併症も起こりやすい
- 患者1000人につき1人の割合で「肺炎」や「脳炎」が重症化して死亡するケースもある
など、症状も重く重症化するケースもあります。
麻疹ウイルスの感染期間
麻疹を他の人に感染させてしまう期間は、下記の期間です。
特に感染力が強いのは、発疹が現れる前の期間です。
妊婦が麻疹患者に接触したら?
麻疹には残念ながら治療薬がないため、熱やせきなどの症状を軽減する対症療法が行うのみとなります。
高熱がせきなどが続くと妊娠中の女性にとっては、とてもつらいものです。
妊娠中は強い解熱鎮痛剤や鎮咳剤が使えません。
医師が母体の負担と赤ちゃんの週数を考えた上で、「早産にしたほうがいい」と判断する場合もあります。
ただ、麻疹は昔と比べて、患者数自体が減っています。
長年医師をしている方のコラムでも、「いまだに妊婦さんで麻疹になった患者さんを診たことはない。」とのこと。
それほど珍しい症例なようです。
麻疹の抗体があるかどうか妊婦健診で検査することもほとんどありません。
妊娠中の麻疹感染に対して、不安に感じる妊婦さんも多いかと思います。
保育士であればなおさらですよね。
しかし、確率としては「非常に低い」「まれ」であることは、覚えておいてほしいと思います。
麻疹を予防するには、どうすればいいの?
妊娠前であれば、医師の判断の下でMR(麻疹風疹混合)ワクチンを接種することができます。
(「ワクチンを打っていない」あるいは「幼少期にワクチンを打っていても免疫が低下している」という場合)
すでに妊娠している場合は、MRワクチンの接種はできません。
MRワクチンは「生ワクチン」です。
生きているウイルスの毒性を弱めて作ったものなので、胎児に影響を及ぼす可能性があるためです。
とくに医療関係者や子どもと接するの職業の方は、麻疹に感染するリスクは普通の人より高くなります。
流行時でなくとも、注意が必要です。
MRワクチンは、麻疹だけでなく風疹も予防することができます。
風疹は麻疹よりも患者数が多く、妊娠中に感染すると赤ちゃんに先天的な異常が起こる可能性があります。
(下記の”風疹の妊婦保育士への影響”の項目で詳しく解説しています。)
妊娠を考えている保育士にとって、MRワクチンは接種しておいたほうが良いワクチンです。
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おたふくかぜ
おたふく風邪は「流行性耳下腺炎」とも呼ばれます。
耳の前下にある耳下腺や顎下腺が腫れることでおたふくのようになるので、おたふくかぜと呼ばれています。
おたふくかぜは、麻疹ウイルスの仲間である「ムンプスウイルス」が原因で起こります。
ムンプスウイルスは、唾液などを介してうつる飛沫感染で、非常に感染力が強いです。
1人の感染者が、抵抗力のない人に対して4~7人に感染させると言われています。
潜伏期間は2~3週間です。
感染者と接触してから2~3週間後に顔の腫れが現れます。
おたふくかぜの症状
- 風邪のような咳、鼻水
- 発熱
- 耳の前下にある唾液腺・耳下腺、下あごの下にある唾液腺・顎下腺の腫れ
唾液腺は左右ともに腫れることが多く、診断の決め手になります。
腫れは1週間ぐらいで引いてきます。
妊娠中におたふくかぜにかかったら
妊娠中におたふくかぜにかかっても、赤ちゃんの奇形にはつながらないと言われています。
しかし、妊娠初期におたふくかぜにかかると、流産の危険性が高まるので、注意することが大切です。
風疹の妊婦保育士への影響
風疹とは、「風疹ウイルス」によっておこる急性の発疹性感染症です。
潜伏期間は2〜3週間です。
風疹の主な症状
- 発疹
- 発熱
- リンパ節の腫れ
風疹ウイルスは患者の唾液によって人にうつります。
風疹は子どもの場合、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血などの合併症をおこすことがあります。
大人が感染した場合は、
- 子どもに比べて発熱や発疹の期間が長くなる
- 関節痛がひどくなる
などの症状があり、一週間以上仕事を休まなければならない場合もあります。
先天性風疹症候群
妊娠中、特に、妊娠初期の女性が風疹にかかると、お腹の中の赤ちゃんも風疹ウイルスに感染してしまいます。
- 難聴
- 心疾患
- 白内障
- 緑内障
- 精神や身体の発達の遅れ
などの障がいを持った赤ちゃんが生まれる頻度が高くなります。
これらの障がいを先天性風疹症候群といいます。
先天性風疹症候群がおこる割合は、風疹にかかった妊娠の「時期」により違いがあります。
先天性風疹症候群の割合は、妊娠週数が早いほど高く、
- 妊娠4~6週:100%
- 妊娠7~12週:80%
- 妊娠3~16週:45~50%
- 妊娠17~20週:6%
- 妊娠20週以降:0%
という報告があります。
特に16週以内の妊婦さんは、風疹に注意する必要があります。
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風疹の予防
風疹の予防法としては、
- 妊娠する前にワクチン接種する
- 風疹が流行している時期は人混みや混雑を避ける
などがあります。
妊婦さんが風疹に感染してしまうと、赤ちゃんが先天性風疹症候群となって生まれる可能性があります。
保育園でも普段から「園だより」「保健だより」などで風疹による妊婦さんへの影響を、知らせておいたほうが良いでしょう。
保育園では、多少熱があっても「仕事が休めない」などの理由で、子どもを登園させてしまうこともあります。
発熱以外に発疹やリンパ節の腫れがある場合は、まず小児科へ!と周知徹底しておきましょう。
そのことで、妊娠中の保育士や、2人目・3人目を妊娠中の保護者を守ることにも繋がります。
生まれてくる赤ちゃんを先天性風疹症候群から守るためにも、保護者の協力が必要です。
妊娠中は風疹の予防接種を受けることはできません。
風疹の予防接種を受けたことがない方は、できる限り早く接種をうけることをおすすめします。
血液検査で、
- 風疹に対する免疫がない
- 風疹に対する免疫力が低い
と判明した妊婦は、特に妊娠初期では風疹にかかっている可能性のある人との接触は避けなくてはいけません。
血液検査で上記を指摘された妊婦保育士は、そのことを保育園に報告しておいたほうが良いでしょう。
りんご病の保育士(妊婦)への影響
妊娠中に「パルボウイルスB19」に感染すると、りんご病にかかり胎児に感染する場合があります。
小児期にりんご病に感染したことがない妊婦保育士は、特に感染に注意しましょう。
りんご病の感染経路は、感染した人の唾液、痰、鼻水からうつります。
感染者や風邪症状のある方との接触は控えましょう。
マスクの使用・手洗い・うがいが感染予防に有効です。
りんご病の症状や潜伏期間
【小児の場合】
- 14~20日の潜伏期間の後、両頬に紅い発疹、体や手・足に網目状の発疹が見られ、1週間程度で消失する
- 発疹が出現する7~10日前に、微熱や風邪のような症状がみられる。
(この時期にウイルスの排出が最も多くなる)
【成人の場合】
何も症状が出ない場合もありますが、りんご病の典型的な症状である、
- 発疹
- 関節の腫れ・痛み
- 皮膚の赤み
が出る場合があります。
皮膚は薄い赤みが体のあちこちに見られる場合があります。
感染者の約半数は症状が出ないため、症状がなくてもウイルス感染は否定できません。
りんご病は、
- 4年に1回程度大きな流行となる、
- 春~夏にかけて流行のピークとなる
と言われています。
また、その名の通り「りんごのように頬が赤くなる」病気です。
しかし、それが現れるのは病気の終盤で、この時点ではすでに感染性はありません。
感染性が高い初期段階では、微熱や軽い風邪のような症状しかみられません。
鑑別が困難であり、ワクチンもないなど、感染対策が難しい病気でもあります。
特に、妊婦の感染は最も注意しなくてはいけません。
- 胎児水腫(胎児の腹などに水がたまり、身体がむくんだ状態になること。早産や流産、死産の可能性が高くなる)
- 強い貧血を起こして流産、死産の原因になることがある
など、胎児へもたらす危険が高いからです。
妊娠前半期に感染するとより危険性が高いですが、妊娠後半期でも生じます。
妊娠中のりんご病感染の予防方法
感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫感染や、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染です。
そのため、マスクの着用や手洗いの徹底を心がけましょう。
りんご病は子どもの間で流行します。
保育園や幼稚園で、集団発生する場合が多くあります。
園でりんご病が流行している時は、妊婦保育士やその周囲の人は以下のことに留意しましょう。
- 園でりんご病が流行しているという情報を職員と保護者で共有し、注意を呼び掛ける
- 妊婦保育士の場合、一時的に持ち場を変えてもらうなど配慮してもらう。
- 行事などで全園児と接する時はマスクを着用し、会場に長く居ないようにする
一度りんご病に感染すると「生涯免疫」を得られ、再度感染することはないと言われています。
抗体の有無は検査で知ることができるので、検査しておくことをおすすめします。
サイトメガロウイルスの保育士(妊婦)への影響
サイトメガロウイルスは、大人になるまでに70%以上の人が感染しているウイルスです。
通常の免疫力のある人が幼児期に感染し、ほとんど症状が出ません。
しかし、妊娠中にはじめて感染すると、胎児に様々な影響が出ることがあります。
妊娠中にサイトメガロウイルスに感染し、赤ちゃんに様々な症状がでることを先天性サイトメガロウイルス感染症と言います。
妊娠中に初めて感染し、胎盤を通してウイルスが胎児に感染した場合、様々な症状をおこします。
無症状な場合もありますが、下記の例が報告されており、重症になる場合もあります。
- 低出生体重
- 肝脾腫
- 小頭症
- 脳内(脳室 周囲)石灰化
- 肝機能異常
- 血小板減少
- 難聴
- 脈絡網膜炎
出生時には軽症でも、のちに難聴や神経学的後遺症を発症する場合があるため、早期発見が必要です。
特に難聴は、出生時に行う「新生児聴覚スクリーニング」で問題がなくても、その後少しずつ進行する場合があります。
年齢が大きくなるにつれ、言葉の遅れなどが気になっていく場合もあるようです。
早めに小児科、耳鼻科などに相談しましょう。
その場合、言葉の遅れだけでなく「耳の聴こえが心配」ということを伝えることが大切です。
また、サイトメガロウイルスは妊娠前に採血して、抗体をもっているか確認することができます。
抗体をすでに持っている場合は、心配はいりません。
しかし、抗体を持っていない妊婦保育士は、感染をおこさないように注意しなくてはいけません。
サイトメガロウイルスの感染経路
サイトメガロウイルスの感染経路をご紹介します。
特に、乳幼児の尿やよだれから、サイトメガロウイルスが多く排泄されます。
そのため、保育士は日々の仕事の中で「感染のリスクが高い」状態となります。
予防法としては、
- おむつを変えた後は、石鹸を使い30~60秒程度丁寧に手洗いする
- 乳幼児のよだれを手でふかない
- 園児とむやみに顔を近づけない
などの注意が必要です。
乳児クラスの担当の妊婦保育士は、園児との距離が近いため、特に気を配る必要があります。
まとめ
今回は、保育士の妊娠中の感染について、各感染症の特徴や予防法など具体的に解説しました。
初めての妊娠であれば、保育士という職業柄、感染症は特に心配だと思います。
自分自身の感染歴やワクチンの接種歴を把握しておくだけでも安心できる部分は大きいです。
しっかり把握することで、自分が安心するだけでなく、パートナーや同僚の心配も減るでしょう。
妊婦保育士に限らず、今後妊娠を望んでいる保育士や若い保育士は、一度感染歴などを調べることをおすすめします。