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1歳児は成長が著しい段階であり、1人ひとりの成長段階や過程が大きく異なります。
そのため、毎月個人のねらいを定め、個人記録をきちんと記録することが必要であります。
保育指針の5領域を元に記入しますが、具体的にどんなことを記入すればいいのでしょうか。
また、1歳児クラスは月齢差も非常に大きいので、『この時期にはこんなことができなければいけない』ということは全くありません.
子どもの月例・成長に合わせた個人記録を書くことも大切です。
1歳児の個人記録・例文
1歳児の個人記録の例文をご紹介します。
- 環境の変化に戸惑いが見られ、不安な表情を浮かべることが多い
- 午睡中に新入園児が泣いていると、目を覚ましてしまったり眠りが浅くなってしまう
- 絵本を見ると出てくる動物を「わんわん」などと言葉で伝える
1歳児の個人記録・4月
1歳児の個人記録・4月の例文をご紹介します。
- 保護者と離れることに涙するようすが見られたが、安心できる場所と思えたからか、涙を見せることが少しずつ減っていった
- 午睡のリズムが一定ではなく、あまり眠れない日もあった。
お迎え前に眠くなってしまうこともあり、静かな場所を確保することで落ち着いて過ごすことができていた - 戸外に出ると、桜の花びらやたんぽぽなどの春の自然に興味を持っていた
1歳児の個人記録・5月
1歳児の個人記録・5月の例文をご紹介します。
- 連休明けは涙を見せることもあったが、すぐ笑顔を見せ、好きな玩具を探し遊んでいた
- 環境に慣れ、スムーズに入眠出来るようになった
- 手づかみが多いが、給食やおやつを自分で食べようとする意欲が見られる
1歳児の個人記録・6月
1歳児の個人記録・6月の例文をご紹介します。
- ズボン、おむつの着脱練習を始める。
ズボンに足を通すことは難しいようだが、上げ下げは声を掛けるとやってみようとする意欲が見られる - 雨が多く、戸外遊びができない日が以前より多かったが、製作に興味を持ち、シール貼りを楽しんでいた。
少しずつ、小さいシールを貼ることも出来るようになった - 3歳児との異年齢交流では、自分の好きな絵本を持っていき、何度も読んでもらう姿が見られた
1歳児の個人記録・7月
1歳児の個人記録・7月の例文をご紹介します。
- 水遊びが始まったが、顔に水がかかることを嫌がる
- 夏祭りの盆踊りのリズムが楽しいようで、曲がかかると幼児クラスを模倣して踊る
- 身の回りのことで『できない』というような表情を見せることもある。
成功体験を何回も繰り返したことで、以前より意欲的に取り組めるようになった
1歳児の個人記録・8月
1歳児の個人記録・8月の例文をご紹介します。
- 夏バテがあったようで、食欲が以前よりもないことが多かった
- 他児が遊んでいる玩具で遊びたいという思いが強い時は、玩具を取ってしまうことも見られた。
他児にも同じような思いがあることを伝え、嫌なことをしてしまったときはどんな思いを伝えればいいのか問いかけると、ぺこりと頭を下げるようすも見られた - 靴下を自分で履く練習を始めたが、まだ難しいようで踵までは保育士が手伝う必要がある
1歳児の個人記録・9月
1歳児の個人記録・9月の例文をご紹介します。
- 運動会練習に意欲を見せる。
特にかけっこの『よーい、ピー』がお気に入りのようで、戸外遊びの際に他児と『よーい、ピー』と遊ぶ姿も見られた - 身の回りのことでできることが増えていくことに喜びを感じているようである
- スプーンやフォークを使うことができるようになり、手づかみ食べが減ってきた
1歳児の個人記録・10月
1歳児の個人記録・10月の例文をご紹介します。
- トイレトレーニングを始める。
トイレに行けることがうれしいようで、喜んでトイレに行く - 戸外遊びに出ると、帰る時間になっても園に戻ることを嫌がることが多くあった。
気持ちの切り替えができるような言葉がけをしたが、次月以降も穏やかに声を掛けていく必要がある - 運動会で踊ったお遊戯を好み、曲を掛けると喜んで体を動かしていた
1歳児の個人記録・11月
1歳児の個人記録・11月の例文をご紹介します。
- 簡単な月の歌を歌えるようになり、1人で口ずさんでいることもある
- 気温が少しずつ下がっているからか、鼻水が出ることが多かった
- 食事で好き嫌いが少しずつ出ていたようで、固いものや緑の野菜を嫌がることがある。
固いものは小さく切ったり、野菜も励ましながらだと食べることができた
1歳児の個人記録・12月
1歳児の個人記録・12月の例文をご紹介します。
- 半袖を1人で着脱することができていが、長袖になり着脱が出来ず困ったようすを見せる。
保育士が少し手伝うと「できた」と言って喜ぶ - クリスマス会でサンタクロースが登場すると、泣きはしないものの保育士の傍に来て、身体を隠すようにしていた
- 水が冷たいからか、手を洗うことを嫌がることもあった。
『バイキンにバイバイしようね』と声をかけると『バイバイ』と言いながら手を洗っていた
1歳児の個人記録・1月
1歳児の個人記録・1月の例文をご紹介します。
- 「おいしい」と言って食事やおやつの時間を喜び、フォーク・スプーンを使い、1人で食事をする
- 他児と簡単な言葉のやり取りを楽しみ、ごっこ遊びを楽しんでいた。
- 戸外で冷たい風が吹くと、他児といっしょに『キャー』と喜んでいた
1歳児の個人記録・2月
1歳児の個人記録・2月の例文をご紹介します。
- 初めての雪を不思議そうに見ていたが、触ってみると冷たいことに驚きながらも、感触遊びを楽しんでいた
- 「自分で」と言い、身の回り事を意欲的にやろうとする姿が見られた
- 節分では、鬼を見ると泣いて嫌がっていた
1歳児の個人記録・3月
1歳児の個人記録・3月の例文をご紹介します。
- 進級に向け2歳児の保育室に遊びに行くと、普段とは違う玩具で喜んで遊んでいた
- 言葉で思いを伝えられるようになることも増えてきたが、適した言葉を見つけることができず、保育士に仲介を求めることもたびたびあった
- 指先も器用になり、以前よりも細かな製作も楽しんで取り組めた
1歳児の個人記録・ねらい
1歳児の個人記録・ねらいの例文をご紹介します。
- 入園や進級という環境の変化が大きいが、それぞれの生活リズムで食事、睡眠、排泄をすることで、新しい環境に慣れる
- 信頼のできる保育士が側にいることで安心し、好きな玩具や遊びを見つけて遊ぶ。
- 保育士が仲介し、他児との関わりを楽しむ
- 保育士に見守られる中で、身の回りのことをやってみようとする
- 簡単な言葉やしぐさで、自分の思いを伝えようとする
1歳児の個人記録・反省
1歳児の個人記録・反省の例文をご紹介します。
- 入園、進級、新しい保育室、新しい担任と環境の変化が大きかった。
保護者や前担任から好きな遊びを聞き、玩具や絵本を多めに用意したことで、落ち着いて過ごすことができたようだった - 他児と言葉のやり取りが盛んになってきた。
どんな言葉を使えば思いを伝えることができるか困っているようすも見られたので、仲立ちすることで思いを伝えることができたようだった - 身の回りのことに興味を持ち、保育士の傍で繰り返しチャレンジするようすが見られた。
一方で、できないことがあると『できない』と泣いてしまうこともあったので、ゆっくり時間を掛けたり、少しだけ手伝うことで『できた』という成功体験を重ねることがでいたようだった
1歳児の個人記録・言葉
1歳児の個人記録・言葉の例文をご紹介します。
- 「かして」「どうぞ」「ありがとう」など、保育士が仲立ちすることで思いを他児に伝えることができた
- 戸外に出ると「ワンワンいた」「赤いブーブ」など、自然と2語文が出るようになっていた
まとめ
1歳は成長が著しい時期であること、月例などによる個人差も大きい時期となります。
次月のねらいを定めたり、どのような関わりが必要なのか考える上で、個人記録をまとめることは非常に大切です。
日々の保育にどうしても追われてしまうこともありますが、そんな時こそ心を落ち着けて、今はどんな成長の時期なのか、何を保育士に伝えたいのかということを考える時間も必要です。
同じクラス担任とも相談すると、違った見え方や関わり方のヒントがあると思います。
個人の思いだけではなく、クラス全体の意見も聞いてみると個人記録もまとめやすくなるのではないでしょうか。
保育の現場において、とても大切にされている個人記録。
子どもの成長を感じ、保育士のかかわり方を顧みながら丁寧に向き合ってもらいたいです。