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実習が決まると考え始めることの1つに【部分実習】があるのではないでしょうか。
何をやれば子どもたちが生き生きと参加できるか、そもそも何をすればいいのか、考え出すと悩んでしまうこともあるかもしれません。
私自身、幼稚園で5歳児を4年間担当し、多くの実習生もクラスに入っていましたので、その時に感じたことも含め、お話をさせていただこうと思います。
大事なことは、『これがやりたい!』という気持ちを持ち、それに向けてきちんと準備することと、担当の先生とよく話し合いをすることです。
部分実習は1日のごくわずかな時間なので、その時間にどんなことが求められているのか、事前に確認もしましょう。
ゲームをしたいと思い考えて提出しても、実際は製作をしてほしいと先生が考えていることもあります。
部分実習が決まったら、『時間・製作や遊びなどどんなことがいいか』ということは事前に確認が必要です。
5歳児の部分実習・1時間
1時間の部分実習は、製作がオススメです。
部分実習のあとは責任実習もありますので、指導案を立てる段階から責任実習を意識しましょう。
製作では季節を意識したものや、製作後に遊べるものも選択肢として考えられます。
5歳児の製作では、はさみを使用することも多いので、はさみの取り扱いや約束事を事前に子どもたちといっしょに確認しましょう。
後述していますが、実習生には子どもたちは普段と違うようすを見せることもあります。
いつもはきちんと出来ることも、わざとやらないということもあるので、一方的に約束事を伝えるのではなく、子どもたちといっしょに確認するということが大切です。
5歳児の部分実習・30分
30分の部分実習は、折り紙など簡単な製作がオススメです。
折り紙はさほど準備も必要なく、時間も多くかかりません。
しかし、折り紙は製作よりも子どもの得意不得意がはっきりと分かれます。
苦手な子や指先があまり器用でない子へのさりげないフォローが必要になりますので、1人ひとりの進み具合や表情をよく観察しましょう。
5歳児の部分実習・20分
20分の部分実習は、ゲームがオススメです。
- 椅子取りゲーム
- フルーツバスケット
- じゃんけん列車
などは5歳児であれば、子どもたちもルールを知っていることも多く、すぐに取り入れられます。
20分という時間であれば何回か楽しんでちょうど終わる時間です。
長すぎる時間でもないので、子どもたちが『またやりたい!』という期待を持って終わることができるので、ゲームをするにはちょうどいい時間と言えます。
室内でのゲームなので、十分な広さを確保し、怪我には細心の注意を払いましょう。
子どもたちは『担任の先生と実習生』ということがよく分かり、部分実習では通常より集中力がないこともあります。
落ち着きが見られないこともあるので、そんな時は1度静かに座るなどして気持ちを落ち着けることも必要です。
5歳児の部分実習・15分
15分の部分実習は、絵本の読み聞かせがオススメです。
5歳児になれば、長い絵本も集中して聞けるようになっています。
導入の手遊びをして絵本を読むと、ちょうど15分くらいになります。
おススメの絵本は、次の通りです。
- パパ、お月さまとって!
- モチモチの木
- エルマーのぼうけん
- はじめてのおつかい
- あさえとちいさいいもうと
- バムとケロシリーズ
- からすのパンやさん
- そらまめくんシリーズ
- 100かいだてシリーズ
実習で絵本を読むときは、事前に自分できちんと最初から最後まで読み、ある程度の物語が分っているようにしましょう。
事前準備が足りないと、子どもたちに物語が伝わりませんし、実習は緊張もすると思うので『ちゃんと準備したから大丈夫』という自身にも繋がります。
また、事前準備しているということも担当の先生に伝わると『頑張っている』という評価にも繋がってきます。
園の方針で『読み聞かせ後の対応』が異なる場合があるので、部分実習前に先生がどような対応をしているか、観察が必要です。
それは『絵本の内容の振り返りをするか』です。
読み聞かせ後は、大きく2つにわかれます。
『絵本の世界観を大切にするため、子どもの想像力を育むため、物語が終われば振り返りせず、次の活動に移る』か『子どもの疑問解決や想いの共有で振り返りをする』に分かれると思います。
どちらも子どもに思いを馳せているので、とてもいいと思いますが園の方針や担当クラスの先生がどちらなのかは事前によく観察しましょう。
5歳児の部分実習・指導案
部分実習の場合、指導案が必要な場合と必要でない場合があります。
15分程度の短い時間であれば、必要がないことも多いです。
指導案が必要かは担当の先生に事前に確認をしましょう。
その際に、提出期日も確認が必要です。
期日が特に定められていない場合は、出来るだけ1週間前には提出するといいと思います。
提出がギリギリになると、実習に対する気持ちが足りないのではという評価に繋がりかねません。
もし、一生懸命書いていて中々進まない場合は、そのことも含め担任の先生に相談しましょう。
そうすることで、前向きに頑張っているという評価に繋がります。
また、指導案を書く場合ねらいを定め、配慮事項・環境構成を丁寧に設定しましょう。
特に導入も大切です。
絵本であれば、物語の内容に合うような手遊び、製作であれば製作内容にあう絵本を読む、実物を子どもといっしょに観察するなどが考えられます。
導入の進め方次第で、子どもの活動に対する参加意欲が変わりますので、おざなりにせず大切に考えましょう。
5歳児の部分実習・ねらい
内容や時期によりねらいは大きく変わりますので、子どもたちにどんな思いで参加してほしいか、よく考えることが大切です。
年長は身の回りのことはほぼ自立していて、見通しを持って生活をすることができています。
担任の先生もすべて手を貸すのではなく、子どもの思いを尊重し、いっしょに考え、自分で行動できるような手伝いをします。
また、就学に向けて様々なことに取り組んでいるので、どんなことを子どもたちが頑張ろうとしているのか、それに向けて担任の先生がどのようなことをサポートしているのか、部分実習前によく観察をしましょう。
ねらいの例をご紹介します。
製作
- あじさい製作(6月)
製作内容:葉っぱ、あじさいの土台となる画用紙をはさみで切り、花部分をおりがみでちぎり絵とする
ねらい:季節を感じながら、はさみを安全に使い、色のイメージを持って取り組む
- 雪だるま製作(1~2月)
製作内容:ペットボトルの蓋に白い絵の具を付けて置き、子どもたちが水を入れた後に蓋を閉め、強く振ると白い水となり、雪だるまの体となる。
画用紙・ビニールテープ・両面テープを自由に使い、雪だるまの顔や装飾を作る。
その後、ペットボトル雪だるまを並べ、あらかじめ作っておいた輪投げの輪を使い、輪投げのゲームをして遊ぶ。
ねらい:寒い季節ならではの情景を思い浮かべながら、思い思い製作を楽しむ。
絵本『はじめてのおつかい』
- 5月実習のねらい例文
落ち着いて集中しながら絵本を楽しむ。難しい言葉も一生懸命聞こうとする。
- 2月実習のねらい例文
場面を思い浮かべながら想像力を働かせ、世界観を味わう
5歳児の部分実習・制作
製作はさまざまなことができるようになっています。
はさみ、のり、クレヨン、マーカーはもちろん、園によっては絵具セットを個人で用意していることもあります。
前述している通り、子どもたちといっしょに使い方、約束事をきちんと確認してから、製作に進みましょう。
何をしたいのか、どんなねらいを定めるかにもよりますが、部分実習で絵の具使用はあまりオススメしません。
絵の具は準備、片づけに時間がかかること、時期によっては子どもたちが使い慣れていないので、実習生の部分実習で担うには難しい教材です。
もちろん、絶対に使えないということはありませんので、もし検討する場合は担任の先生と綿密な打ち合わせが必要になります。
5歳児の部分実習・絵本
【15分の部分実習】で前述しておりますが、5歳児は集中力がついてきています。
就学に向けて小学校の授業分数である45分机上での活動に取り組めるように少しずつ練習しているので、長いお話も聞くことができるようになっていきます。
しかし、導入で子どもたちの興味を惹きつけること、お話の読み方が単調にならないことなど、子どもたちの『もっと聞きたい!』という想いを引き出さすような読み方が必要になります。
また、絵本は作者・作家の思いが毎ページ込められているので、読み手はそのことも意識をする必要があります。
そのためにも、事前に物語やせりふの言い回しをきちんと確認し、子どもたちの前に出た時は物語の世界観に入り込み、伝えたいことも思いを込めて読みましょう。
5歳児の部分実習・ゲーム
部分実習のゲームは、室内で出来ることを選択することをオススメします。
もちろん外での活動も可能ですが、ほかのクラスが外遊びをしているか、天候によって出来ることが変わってくる可能性が考えられるからです。
前述している通り、室内で可能なゲームもたくさんありますが、十分なスペースを確保し、怪我には細心の注意が必要です。
5歳児の部分実習・2月
5歳児の2月は、卒園式の練習が始まるなど卒園・就学に向けた意識がとても高まる時期です。
担任の先生としてもとても忙しい時期なので、そんな時に部分実習をさせてもらえることに感謝の気持ちをもって取り組みましょう。
また、卒園式の練習では真剣に取り組む時間も続くので、実習生との部分実習では思い切り楽しい時間にするということも、子どもたちにとってのメリハリとなると思います。
就学を控えた時期だからこそ子どもたちがより楽しい時間を過ごせることを、実習生も思い切り楽しんでできる時間となればいいのではないでしょうか。
- 外で思い切り体を動かす
- 日常の保育ではなかなかできない製作を楽しむ
- 製作後に遊べるものを選択する など
まとめ
幼稚園教諭・保育士を目指す中で、実習は大切な時間です。
夢を持って実習に出ると思いますが、楽しいことばかりではなく大変なこともたくさんあります。
私もくじけそうになったこともありました。
それでも夢を叶えるため、長い時は1カ月近くの実習を乗り越えると、必ず成長できる時間です。
また、実習はその後の就職に繋がることもあります。
私は大学4年生の時に実習でお世話になった幼稚園にご縁をいただき、就職させていただきました。
実習中はもちろん目の前のことに全力で取り組むことが何よりですが、その後の自分の進む道に少なからず関係がありますので、そのこともきちんと視野に入れて取り組むことが大切ではないでしょうか。
指導案の作成、毎日の実習日誌、部分実習・責任実習の準備とやるべきことも多いです。
何よりも実習期間を大切に過ごすこと、そして体調をきちんと管理し、万全の状態で臨むことを忘れずに、貴重な実習期間を迎えてほしいと思います。